日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-CG 地球生命科学複合領域・一般

[B-CG09] 地球史解読:冥王代から現代まで

2018年5月21日(月) 15:30 〜 17:00 コンベンションホールB(CH-B) (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:小宮 剛(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻)、加藤 泰浩(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻)、鈴木 勝彦(国立研究開発法人海洋研究開発機構・海底資源研究開発センター)、座長:小宮 剛

15:45 〜 16:00

[BCG09-02] 冥王代地球表層環境進化における天体衝突の役割

★招待講演

*黒澤 耕介1岡本 尚也1薮田 ひかる2小松 吾郎3松井 孝典1 (1.千葉工業大学 惑星探査研究センター、2.広島大学 大学院理学研究科 地球惑星システム学講座、3.ダヌンツィオ大学 国際惑星科学研究大学院)

キーワード:天体衝突、衝突化学、二段式水素ガス銃、その場気相化学分析、四重極質量分析計

天体重爆撃は冥王代地球表層環境進化の主要な駆動力の一つであったと推定される. 地球への飛来する天体の典型的な衝突速度はおよそ20 km/sと推定されており, 達成されるエネルギー密度は200 MJ/kgにおよぶ. これは温度圧力に換算するとそれぞれ200000 K, 600 GPaに対応する. そのため天体衝突は原始地球の平均場では決して駆動されない物理化学過程を引き起こし, 原始地球システムに破滅的な摂動を加えていたと推定される. その証拠は特異な地質試料として地層に固定されている可能性もあろう. 我々は冥王代地球表層進化において天体衝突が果たした役割を明らかにするため, 千葉工業大学惑星探査研究センターで二段式水素ガス銃を用いた新たな実験系を構築しつつある. 講演では冥王代地球における「衝突化学」の役割を紹介し, 新しい実験系を用いた今後の展望を議論する.