15:45 〜 16:00
[BCG09-02] 冥王代地球表層環境進化における天体衝突の役割
★招待講演
キーワード:天体衝突、衝突化学、二段式水素ガス銃、その場気相化学分析、四重極質量分析計
天体重爆撃は冥王代地球表層環境進化の主要な駆動力の一つであったと推定される. 地球への飛来する天体の典型的な衝突速度はおよそ20 km/sと推定されており, 達成されるエネルギー密度は200 MJ/kgにおよぶ. これは温度圧力に換算するとそれぞれ200000 K, 600 GPaに対応する. そのため天体衝突は原始地球の平均場では決して駆動されない物理化学過程を引き起こし, 原始地球システムに破滅的な摂動を加えていたと推定される. その証拠は特異な地質試料として地層に固定されている可能性もあろう. 我々は冥王代地球表層進化において天体衝突が果たした役割を明らかにするため, 千葉工業大学惑星探査研究センターで二段式水素ガス銃を用いた新たな実験系を構築しつつある. 講演では冥王代地球における「衝突化学」の役割を紹介し, 新しい実験系を用いた今後の展望を議論する.