[AAS07-P08] 低オゾンイベント出現の温室効果ガス濃度依存性に関する化学気候モデルを用いたアンサンブル実験
キーワード:オゾン、温室効果ガス、アンサンブル実験、化学気候モデル
オゾン濃度のオゾン破壊物質(ODS)濃度依存性はよく知られており、また、理解も進んでいるが、その温室効果ガス(GHG)濃度依存性ははっきりとしない部分がまだ多く残されている。これまでの化学気候モデルによる将来予測により、将来のODS濃度の減少とGHG濃度の増加によって、中高緯度のオゾン量は増加することが示されているが、例えば、ODS濃度がピークから少し下がった2011年に北極で極端なオゾン破壊が突然出現したように、ODS、GHG濃度との関係は必ずしも明確ではない。ODSのみならず極渦の安定性に関係していることが示唆され、大気の力学場にGHG濃度が絡んでいるのかもしれない。
そこで本研究では、オゾン量のGHG濃度依存性を明らかにするため、MIROC3.2化学気候モデルを用い、ODS濃度とGHG濃度を過去あるいは将来考えられる値に設定したアンサンブル実験を行った。その結果、中高緯度域で220DU以下になるような低いオゾン量の出現は、ODS濃度が高い場合、GHG濃度が増加してもなくならず、頻度は低いが存在し続けることがわかった。このようなアンサンブルメンバーについて、循環、気温、大気微量成分の分布を、アンサンブル平均と比較しながら議論する。
そこで本研究では、オゾン量のGHG濃度依存性を明らかにするため、MIROC3.2化学気候モデルを用い、ODS濃度とGHG濃度を過去あるいは将来考えられる値に設定したアンサンブル実験を行った。その結果、中高緯度域で220DU以下になるような低いオゾン量の出現は、ODS濃度が高い場合、GHG濃度が増加してもなくならず、頻度は低いが存在し続けることがわかった。このようなアンサンブルメンバーについて、循環、気温、大気微量成分の分布を、アンサンブル平均と比較しながら議論する。