日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] Eveningポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-OS 海洋科学・海洋環境

[A-OS17] 沿岸域の海洋循環と物質循環

2018年5月21日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:森本 昭彦(愛媛大学)、田中 潔(東京大学)、速水 祐一(佐賀大学、共同)、一見 和彦(香川大学農学部)

[AOS17-P01] 海岸滞留過程を考慮した輸送モデルを用いた日本海におけるマイクロプラスチック輸送シミュレーション

*宮尾 泰幸1森 啓太1日向 博文1 (1.愛媛大学)

キーワード:粒子追跡モデル、海岸滞留過程、海岸漂着ゴミ

近年、海岸に漂着したプラスチックゴミによる環境汚染が深刻な問題となっている。また、大型のプラスチックゴミによる環境汚染に加えて、0.3mmから0.5mmのサイズに微細化したプラスチックゴミ(マイクロプラスチック)の問題も懸念されている。マイクロプラスチックは世界中の海域で発見されており、その中でも日本海周辺はマイクロプラスチックの個数密度が高いことが報告されている。そこで、日本海周辺において様々なサイズのプラスチックゴミやマイクロプラスチックの動態シミュレーションが行われてきたが、これらの研究は海洋中をプラスチックゴミが移動するのみであり、海岸には漂着させない、もしくは漂着後すぐに海洋に戻すといった仮定のもと行われている。海岸に漂着したプラスチックゴミは熱や紫外線の影響を受けて急激に劣化するため、海岸に漂着している時間が長いほど微細化する傾向にある。そのため、プラスチックゴミがマイクロプラスチックに微細化するプロセスを理解するためには、プラスチックゴミの海岸への漂着・滞留・再漂流を考慮した輸送モデルが必要となる。そこで本研究では、海岸への漂着・滞留・再漂流過程を考慮した輸送モデルを用いて、日本海のマイクロプラスチックの動態を推定する。また、海岸への漂着・滞留・再漂流過程を考慮することでマイクロプラスチックの日本海通過時間への影響を評価する。本講演では、海岸に漂着するマイクロプラスチック量や海岸経験日数の空間分布を示し、粒子の軌跡から日本海におけるマイクロプラスチックの動態を考察する。