[BBG02-P06] 堆積性カオリン鉱床下位の風化花崗岩中に形成されたFe-kaolinite
キーワード:カオリン、風化花崗岩、XAFS
愛知県瀬戸地域に分布する蛙目粘土層(カオリン化したアルコース質砂岩)の下位には、カオリン質粘土を最大で3割程度含み、青灰色を呈する「青サバ」と呼ばれる風化花崗岩が広く賦存する。青サバから水簸によって分離したカオリン質粘土は、カオリナイトと雲母質粘土、少量の石英・長石類から構成される。カオリナイトは、Feを平均3%程度(Fe2O3換算)含むFe-kaoliniteで、その組成変化はFe+SiでAlを置換するcoupled substitutionが生じていることを示す。XANES解析の結果、Feの60-70%はFe3+で、EXAFSから求めたFeの第二近接元素は、6配位のAlおよび4配位のSiとすると、計算結果が良く一致する。したがって、FeはAlを置換してカオリナイトの構造中に存在すると判断される。Fe-kaoliniteの特徴から、堆積性カオリン鉱床の形成には、酸性流体による分解・溶脱のみならずFeの酸化反応が伴っていたことが示唆される。