日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] Eveningポスター発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-BG 地球生命科学・地圏生物圏相互作用

[B-BG02] 生命-水-鉱物-大気相互作用

2018年5月21日(月) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:高井 研(海洋研究開発機構極限環境生物圏研究センター)、中村 謙太郎(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻)、上野 雄一郎(東京工業大学大学院地球惑星科学専攻、共同)、鈴木 庸平(東京大学大学院理学系研究科)

[BBG02-P06] 堆積性カオリン鉱床下位の風化花崗岩中に形成されたFe-kaolinite

*高木 哲一1地下 まゆみ2高橋 嘉夫3栗栖 美菜子3綱澤 有輝1森本 和也1星野 美保子1月村 勝宏1 (1.国立研究開発法人産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門、2.大阪大谷大学、3.東京大学)

キーワード:カオリン、風化花崗岩、XAFS

愛知県瀬戸地域に分布する蛙目粘土層(カオリン化したアルコース質砂岩)の下位には、カオリン質粘土を最大で3割程度含み、青灰色を呈する「青サバ」と呼ばれる風化花崗岩が広く賦存する。青サバから水簸によって分離したカオリン質粘土は、カオリナイトと雲母質粘土、少量の石英・長石類から構成される。カオリナイトは、Feを平均3%程度(Fe2O3換算)含むFe-kaoliniteで、その組成変化はFe+SiでAlを置換するcoupled substitutionが生じていることを示す。XANES解析の結果、Feの60-70%はFe3+で、EXAFSから求めたFeの第二近接元素は、6配位のAlおよび4配位のSiとすると、計算結果が良く一致する。したがって、FeはAlを置換してカオリナイトの構造中に存在すると判断される。Fe-kaoliniteの特徴から、堆積性カオリン鉱床の形成には、酸性流体による分解・溶脱のみならずFeの酸化反応が伴っていたことが示唆される。