日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EE] Eveningポスター発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-PT 古生物学・古生態学

[B-PT04] バイオミネラリゼーションと環境指標

2018年5月20日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:豊福 高志(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、北里 洋(国立大学法人東京海洋大学)、Bijma Jelle(アルフレッドウェゲナー極域海洋研究所、共同)、廣瀬 孝太郎(早稲田大学  大学院創造理工学研究科 地球・環境資源理工学専攻)

[BPT04-P01] 有孔虫の生態と殻の構成に関する考察

*北里 洋1 (1.国立大学法人東京海洋大学)

キーワード:有孔虫、殻形態、生態、成長戦略、殻の材質

有孔虫は石灰質あるいは砂質の殻を作る。多くの有孔虫は種ごとに決まった殻の形をしているが、付着性の種類の場合、周りの環境に合わせてフレキシブルな殻形態になる。生物一般に環境によって様々な形態をとることを「可塑性が高い」という。有孔虫は種類によって「可塑性」が高い。可塑性が高い有孔虫は環境に合わせて工夫しているように見える。例えば、付着する種類の場合、付着する基質の凹凸に合わせて殻の形を変える。周りの生物と成長を競い合わねばならない付着性種は、周りの生物よりも早く成長するために雑な殻の作り方をしている。本論では、様々な生態場にいる有孔虫の成長と殻との関係を観察し、有孔虫の殻の特徴には種固有の形態要素の他に生態的な要素があることを議論する。