[BPT06-P04] 茨城県北部の湯長谷層群亀ノ尾層から産出した魚類化石について
キーワード:下部中新統、亀ノ尾層、魚類化石
常磐地域の下部中新統湯長谷層群亀ノ尾層は軟体動物、植物、珪藻などの微化石、魚類化石が産出することで知られている。しかし、これらの化石のうち魚類化石は産出報告のみで、詳細な記載はされてこなかった。亀ノ尾層産の魚類化石は前期中新世の北太平洋地域の海水魚類相を知る上で重要と考えられる。本研究では亀ノ尾層の魚類化石に関して新たに調査を行い、鱗の化石と魚骨化石が産出したため報告する。
産出個体数は鱗の化石が約90、魚骨化石は2だった。
魚骨化石は状態の良い尾部と鱗の化石から同定を試みた。鱗の化石はハダカイワシ目とニシン科と考えられる鱗が存在した。尾部は第2下尾骨(HY2)、第3下尾骨(HY3)で二叉していること、第3下尾骨、第4下尾骨(HY4)が比較的大きいこと、第一尾鰭椎前椎体(PU1)と第一尾鰭椎(U1)が癒合していること、第1下尾骨がPU1+U1と関節していることが最大の特徴である。この特徴をもつ魚類はニギス属とソトオリイワシ科にみられるが、ニギス属は円鱗ではない。
今回見られた鱗の化石はハダカイワシ目とニシン科であるためハダカイワシ目ソトオリイワシ科と考えられる。
ソトオリイワシ科は亀ノ尾層で初見である。ハダカイワシ目は現生では頭部と発光器で分類されているため、現生種の尾部との比較が不十分である。そのため分類学的検討を行うために現生種との比較骨学的検討が必要である。
産出個体数は鱗の化石が約90、魚骨化石は2だった。
魚骨化石は状態の良い尾部と鱗の化石から同定を試みた。鱗の化石はハダカイワシ目とニシン科と考えられる鱗が存在した。尾部は第2下尾骨(HY2)、第3下尾骨(HY3)で二叉していること、第3下尾骨、第4下尾骨(HY4)が比較的大きいこと、第一尾鰭椎前椎体(PU1)と第一尾鰭椎(U1)が癒合していること、第1下尾骨がPU1+U1と関節していることが最大の特徴である。この特徴をもつ魚類はニギス属とソトオリイワシ科にみられるが、ニギス属は円鱗ではない。
今回見られた鱗の化石はハダカイワシ目とニシン科であるためハダカイワシ目ソトオリイワシ科と考えられる。
ソトオリイワシ科は亀ノ尾層で初見である。ハダカイワシ目は現生では頭部と発光器で分類されているため、現生種の尾部との比較が不十分である。そのため分類学的検討を行うために現生種との比較骨学的検討が必要である。