[MAG33-P08] 福島県浪江町の里山における大気エアロゾル中放射性セシウム濃度に及ぼす山林火災の影響
キーワード:放射性セシウム、バイオマーカー、レボグルコサン、里山、再飛散
2011年3月11日に発生した東日本大震災による福島第一原発事故により,様々な放射性物質が大気中に放出された.このうち,放射性セシウムは半減期が長いことから環境や健康影響が懸念されている.福島県は森林が70 %を占めており,大部分の放射性セシウムは森林に保持されたままであり,森林域からの放射性セシウムの再飛散機構は不明である.
本研究では,森林樹冠からの放射性セシウムの再飛散機構の解明を目的として,レボグルコサンを山林火災,n-アルカン(n=18 - 36)を植物ワックス,化石燃料燃焼由来のバイオマーカーとして用いた.試料採取は,福島第一原発から北西方向約30 kmに位置する浪江高校でハイボリュームエアサンプラーを用い,バイオマーカーと放射性セシウムの計測を行った.
2016年は3月30日に伊達市(採取地点から北西約30 km),4月3日に南相馬市(採取地点から北東約20 km)で森林火災が発生した.森林火災地域から空気塊が輸送されると,レボグルコサン濃度,放射性セシウム濃度,n-アルカン濃度がそれぞれ増加する場合としない場合があった.4月8日から12日の期間は伊達市と南相馬市からの空気塊がこの期間内に流入し,放射性セシウム,レボグルコサン,植物ワックス由来n-アルカン(n=27, 29, 31)濃度がともに増加した.一方,放射性セシウムとn-アルカン濃度がともに増加したが,レボグルコサン濃度が増加しない場合もあった(2016年4月28日).n-アルカン濃度が高濃度時の分子量分布を調べたところ,植物ワックスの物理的剥離と思われる場合(n=27, 29, 31のみが増加),植物ワックスと化石燃料燃焼由来と思われる場合(n=27, 29, 31とともに偶数炭素が増加する場合)があった.発表では,2017年の森林火災についてもう報告する.
本研究では,森林樹冠からの放射性セシウムの再飛散機構の解明を目的として,レボグルコサンを山林火災,n-アルカン(n=18 - 36)を植物ワックス,化石燃料燃焼由来のバイオマーカーとして用いた.試料採取は,福島第一原発から北西方向約30 kmに位置する浪江高校でハイボリュームエアサンプラーを用い,バイオマーカーと放射性セシウムの計測を行った.
2016年は3月30日に伊達市(採取地点から北西約30 km),4月3日に南相馬市(採取地点から北東約20 km)で森林火災が発生した.森林火災地域から空気塊が輸送されると,レボグルコサン濃度,放射性セシウム濃度,n-アルカン濃度がそれぞれ増加する場合としない場合があった.4月8日から12日の期間は伊達市と南相馬市からの空気塊がこの期間内に流入し,放射性セシウム,レボグルコサン,植物ワックス由来n-アルカン(n=27, 29, 31)濃度がともに増加した.一方,放射性セシウムとn-アルカン濃度がともに増加したが,レボグルコサン濃度が増加しない場合もあった(2016年4月28日).n-アルカン濃度が高濃度時の分子量分布を調べたところ,植物ワックスの物理的剥離と思われる場合(n=27, 29, 31のみが増加),植物ワックスと化石燃料燃焼由来と思われる場合(n=27, 29, 31とともに偶数炭素が増加する場合)があった.発表では,2017年の森林火災についてもう報告する.