[MGI25-P11] ケニア山のチンダル氷河における近年の氷河変動とデブリ地形の形成
キーワード:チンダル氷河、デブリ地形、地中レーダー
ケニア山に位置するチンダル氷河は,1919~1994年までの75年間に高度で80m,距離で300m後退した(水野,1995).その変化は,1958~1984年 の26年間で75m後退し,1984~1992年の8年間で23m後退しており,後退速度は前半が2.9m/yr (Coe, 1967; Spence 1989),後半が2.9m/yrであり,ほぼ等速度で後退している.氷河前面には,この後退時に形成された埋没氷を含むデブリ地形が形成されている.地中レーダー探査によって内部構造を調べたところ,2.5mの厚さのデブリ地形であり,氷河の後退時にデブリと氷を堆積した.このデブリ地形は,1984年の後退箇所で1か所で形成されているにすぎず,氷河の停滞時に堆積したものと考えられる.