[MGI25-P16] 乗鞍岳東斜面における局地風系
キーワード:山谷風、熱的循環流
本研究では中部山岳地域の乗鞍岳東斜面において気象観測を継続的に行い,その実測値に基づき日変化する風系に着目した解析を行った.その結果,これまで日本において継続的な観測と研究が十分に行われてこなかった標高帯における風系が明らかとなった.
標高の高い乗鞍岳では偏西風のような上層の風の影響を強く受ける.しかしながら,上層の風が比較的弱く,日射による加熱や放射冷却が十分にある場合,日中の谷風と夜間の山風を反映した風向の日変化があり,日中は東風 (上昇風) ,夜間は西風 (下降風) の出現頻度が増加する.このような典型的な山谷風は夏から秋にかけて特に卓越している.また,上昇風が午前中のみ吹き,午後から下降風に転じる日も多い.このような日中のうちに風向が変化するパターンは特に春季に多い.冬から春に乗鞍岳の地表面を広く覆う雪面は接地層の大気を冷却するため斜面下降風をもたらすと考えられる.冬季は,強い上層風,小さい日射量,高いアルベドによって熱的循環流は発生しにくいと考えられ,風向が日変化する日は少数である.
標高の高い乗鞍岳では偏西風のような上層の風の影響を強く受ける.しかしながら,上層の風が比較的弱く,日射による加熱や放射冷却が十分にある場合,日中の谷風と夜間の山風を反映した風向の日変化があり,日中は東風 (上昇風) ,夜間は西風 (下降風) の出現頻度が増加する.このような典型的な山谷風は夏から秋にかけて特に卓越している.また,上昇風が午前中のみ吹き,午後から下降風に転じる日も多い.このような日中のうちに風向が変化するパターンは特に春季に多い.冬から春に乗鞍岳の地表面を広く覆う雪面は接地層の大気を冷却するため斜面下降風をもたらすと考えられる.冬季は,強い上層風,小さい日射量,高いアルベドによって熱的循環流は発生しにくいと考えられ,風向が日変化する日は少数である.