日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] Eveningポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS15] 地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ

2018年5月20日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:伊賀 啓太(東京大学大気海洋研究所)、吉田 茂生(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、柳澤 孝寿(海洋研究開発機構 地球深部ダイナミクス研究分野、共同)、相木 秀則(名古屋大学)

[MIS15-P03] 大気と海洋の波動エネルギーのライフサイクル解析による熱帯気候変動メカニズムの解明

*相木 秀則1,2 (1.名古屋大学 宇宙地球環境研究所、2.海洋研究開発機構 アプリケーションラボ)

キーワード:熱帯亜熱帯相互作用、中緯度ロスビー波、赤道ロスビー波、混合ロスビー重力波、エルニーニョ/ラニーニャ現象、インド洋ダイポールモード現象

大気と海洋の様々な長周期(季節内~季節間スケール)波動は熱帯域の気候変動現象(MJO/ENSO/IOD)の発達・終息において重要な役割を担う。これらの波動を解析する際に従来の準地衡流近似に基づく診断理論は中緯度域と熱帯域の接続を整合的に取り扱えないという問題があった。Aiki et al. (2017, PEPS)の理論研究によってエネルギーフラックスの診断式のブレークスルーがもたらされた。これは大気海洋中の擾乱エネルギーのライフサイクル(発達・伝達・消散過程)を緯度帯の制限なくトレースするための強力なツールである。これによって擾乱エネルギーの流れを可視化して定性的に理解するだけでなく、厳密な定量化により各力学過程の最重要なものを明確化することができる。本研究ではこれを適用して、熱帯と中緯度の波動をその相互作用も含めて連続的にトレースすることで、熱帯の主要な気候変動イベントの発達・終息メカニズムを解明する。

http://co2.hyarc.nagoya-u.ac.jp/labhp/member/aiki/