[MIS17-P18] 東部南海トラフ海域におけるメタンハイドレート第2回海洋産出試験東部南海トラフ海域におけるメタンハイドレート第2回海洋産出試験
キーワード:ハイドレート、貯留層モデル、産出試験
海底のメタンハイドレート貯留層からの長期的なガス生産挙動の知見を得るため、MH21研究コンソーシアムは、2013年に実施された第1回試験に引き続き、東部南海トラフ海域の第二渥美海丘海域近傍において、第2回となるガス生産実験を実施した。試験に際しては、前回試験の教訓を踏まえ、出砂対策、坑内機器、ライザーシステムに対して、長期安定生産を実現するための改良を施した。
2016年に1坑の地質探査井(AT1-UD)、2坑のモニタリング(AT1-MT2/MT3)と、2坑の生産井(AT1-P2/P3)の浅部を掘削して検層データを取得し、2017年4-6月に、生産井のハイドレート貯留層区間を掘削して出砂対策装置を設置し、坑内にポンプ等の坑内機器を設置し、それぞれの生産井で12日間及び24日間のフローを実現した。最初にフローテストを行ったAT1-P3井では出砂に見舞われ、二番目のAT1-P2井では想定よりも多量の水が生産されたことで、それぞれ目標とした初期地層圧力13MPaから3MPaまでの減圧が実現できなかったものの、両坑井でほぼ安定した生産が実現できた。しかし、数値シミュレーションによる事前の予想に示されていた、ガス生産レートが漸増する現象は見られなかった。
試験に際しては、生産井とモニタリング井のそれぞれで坑内の圧力及び温度データを取得して、貯留層内各深度区間におけるガス・水生産状況、ハイドレート分解状況のデータを得ることができた。また、事前に取得された三次元地震探査データ及び検層ログより、当該海域の貯留層におけるメタンハイドレート胚胎状況の非均質性が明らかになった。
これらの情報から、各生産井で、坑井近傍及び貯留層内で減圧された範囲が拡大・維持されるのを妨げる現象が見られることがわかった。その原因としては、坑井周辺での出砂対策装置の目詰まりや地層のみかけ浸透率低下によるスキンの形成、流動特性の非線形性、地層の非均質性などが考えられる。
今後は、取得されたデータとモデルとの比較などを通じて、実際に生産挙動と数値シミュレーションの差異の原因究明、生産挙動を安定化し、さらに生産レートを増大させる手法の検討等を進めていく。
2016年に1坑の地質探査井(AT1-UD)、2坑のモニタリング(AT1-MT2/MT3)と、2坑の生産井(AT1-P2/P3)の浅部を掘削して検層データを取得し、2017年4-6月に、生産井のハイドレート貯留層区間を掘削して出砂対策装置を設置し、坑内にポンプ等の坑内機器を設置し、それぞれの生産井で12日間及び24日間のフローを実現した。最初にフローテストを行ったAT1-P3井では出砂に見舞われ、二番目のAT1-P2井では想定よりも多量の水が生産されたことで、それぞれ目標とした初期地層圧力13MPaから3MPaまでの減圧が実現できなかったものの、両坑井でほぼ安定した生産が実現できた。しかし、数値シミュレーションによる事前の予想に示されていた、ガス生産レートが漸増する現象は見られなかった。
試験に際しては、生産井とモニタリング井のそれぞれで坑内の圧力及び温度データを取得して、貯留層内各深度区間におけるガス・水生産状況、ハイドレート分解状況のデータを得ることができた。また、事前に取得された三次元地震探査データ及び検層ログより、当該海域の貯留層におけるメタンハイドレート胚胎状況の非均質性が明らかになった。
これらの情報から、各生産井で、坑井近傍及び貯留層内で減圧された範囲が拡大・維持されるのを妨げる現象が見られることがわかった。その原因としては、坑井周辺での出砂対策装置の目詰まりや地層のみかけ浸透率低下によるスキンの形成、流動特性の非線形性、地層の非均質性などが考えられる。
今後は、取得されたデータとモデルとの比較などを通じて、実際に生産挙動と数値シミュレーションの差異の原因究明、生産挙動を安定化し、さらに生産レートを増大させる手法の検討等を進めていく。