[O06-P05] 国立公園内における火山災害遺構の保全システムの構築 ~洞爺湖有珠山ユネスコ世界ジオパークの試み~
キーワード:地質保全、防災、機関連携
洞爺湖有珠山ユネスコ世界ジオパークは,有珠火山の噴火活動に由来する火山災害遺構や地形・地質を主要なジオサイトとして有している.この地域では,1977~1978年噴火災害後に、次の噴火を見据えて官学民協働で火山防災教育を開始した。また、2000年噴火災害復興支援の中でエコミュージアム構想を立ち上げ、国や道の協力を得て、噴火で形成された火口群や断層群、被災施設などの保存活用や遊歩道の整備等を進めてきた。その後、2008年に国内最初の世界ジオパークとして認定されて以来,これらは,有珠山の火山活動の特徴を学ぶ世界的に重要なジオサイトとして、火山学習の場となっている.
しかし,時間の経過とともに植生の発達が著しく,重要な地殻変動の痕跡が観察できなくなりつつある.その多くが国立公園の特別保護地区内などにあることで,植生の撤去を積極的に行うことができないことも原因のひとつである.このことは,ジオパーク認定以来の大きな課題であった.
洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会と環境省北海道地方環境事務所は,有珠山周辺地域におけるジオサイトの保全活用のあり方について模索を続けてきた.そして,2016年から,地域住民を含む関係機関により支笏洞爺国立公園有珠山周辺保全活用検討会を立ち上げた.検討会では現地での調査及び検討を行い,植生の保全を目的としたエリアと地形・地質の保全を目的としたエリアとをゾーニングし,それぞれの目的に合った保全方法や,段階的な今後の活用プランについての基本的な方向性をまとめた.
この取り組みは,ジオサイトの保全と活用に関して同様の課題を有する多くのジオパークの問題を解決する一案となるだろう.
しかし,時間の経過とともに植生の発達が著しく,重要な地殻変動の痕跡が観察できなくなりつつある.その多くが国立公園の特別保護地区内などにあることで,植生の撤去を積極的に行うことができないことも原因のひとつである.このことは,ジオパーク認定以来の大きな課題であった.
洞爺湖有珠山ジオパーク推進協議会と環境省北海道地方環境事務所は,有珠山周辺地域におけるジオサイトの保全活用のあり方について模索を続けてきた.そして,2016年から,地域住民を含む関係機関により支笏洞爺国立公園有珠山周辺保全活用検討会を立ち上げた.検討会では現地での調査及び検討を行い,植生の保全を目的としたエリアと地形・地質の保全を目的としたエリアとをゾーニングし,それぞれの目的に合った保全方法や,段階的な今後の活用プランについての基本的な方向性をまとめた.
この取り組みは,ジオサイトの保全と活用に関して同様の課題を有する多くのジオパークの問題を解決する一案となるだろう.