日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EE] Eveningポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM12] Space Weather, Space Climate, and VarSITI

2018年5月24日(木) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:片岡 龍峰(国立極地研究所)、Antti A Pulkkinen (NASA Goddard Space Flight Center)、草野 完也(名古屋大学宇宙地球環境研究所、共同)、塩川 和夫(名古屋大学宇宙地球環境研究所)

[PEM12-P22] GAIAを用いたスポラディックE層の発生予測

*品川 裕之1陣 英克1三好 勉信2藤原 均3 (1.国立研究開発法人情報通信研究機構、2.九州大学、3.成蹊大学)

キーワード:スポラディックE層、発生、予測、大気圏電離圏結合モデル

高度約90kmから120kmの間の領域に現れるスポラディックE層(Es)は、短波通信や放送にさまざま影響を及ぼすことが知られており、その予測は宇宙天気予報における重要課題の一つとなっている。Esは、基本的には下部熱圏、上部中間圏付近の中性風のシアと流星起源の金属イオンの組み合わせによってできることが知られているが、その形成や変動過程は定量的にはまだ十分に解明されていない。我々のグループでは、全領域の大気圏モデルと電離圏モデルを結合し、下層大気には気象庁の再解析データを導入した全大気圏-電離圏結合モデル(GAIA)の開発を行ってきた。現在、水平分解能約1度のGAIAが利用可能になっている。このモデルは、Esの構造を直接再現するにはまだ分解能が十分とは言えないが、Esの発生条件を見積もることは可能である。これまでの解析で、GAIAから求められた熱圏下部の風のシア強度の季節・地域依存性はこれまでの観測で得られたEs発生頻度の季節・地域依存性にほぼ一致することがわかった[Shinagawa et al., 2017]。本発表では、この結果をさらに発展させ、日々変動の予測に関する解析を行った結果を報告し、GAIAを用いたEsの予測可能性について議論する。

参考文献

Shinagawa, H., Y. Miyoshi, H. Jin, and H. Fujiwara (2017), Global distribution of neutral wind shear associated with sporadic E layers derived from GAIA, J. Geophys. Res. Space Physics, 122, doi:10.1002/2016JA023778.