[SCG53-P24] スロー地震の移動速度と摩擦パラメタ―の定量的な関係式の導出
キーワード:余効すべり、有効法線応力、応力擾乱、速度状態依存摩擦構成則
近年の観測網の発達により,余効すべり,スロースリップなどのスロー地震の移動現象が捉えられてきている状況を鑑みて,我々はその移動速度と摩擦特性との定量的な関係を,速度状態依存摩擦特性に基づいて導出した.この関係式は,地表面の影響がなければ,概ね1桁以内の精度で説明出来ることを試行シミュレーション結果より確かめた.さらに,導出式に近似条件を課すことで,より単純で物理的に理解しやすい式も導出することに成功した.近似した関係式であっても精度はほとんど変わらないため,さらに実用性を増すことが出来たといえよう.これらの結果は,観測された伝播速度から摩擦特性を拘束する有力な手掛かりとなることが期待される.