日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] Eveningポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG61] 海洋底地球科学

2018年5月23日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:沖野 郷子(東京大学大気海洋研究所)

[SCG61-P03] DSDP Leg 58 Site442~444, ODP Leg 131 Site 808から掘削された四国海盆基盤岩の再分析と、分析値の特徴

*原口 悟1藤永 公一郎2中村 謙太郎3山口 飛鳥4石井 輝秋5 (1.海洋研究開発機構、2.千葉工業大学次世代海洋資源センター、3.東京大学工学部、4.東京大学大気海洋研究所、5.静岡大学防災総合センター)

キーワード:四国海盆、背弧海盆玄武岩、化学分析、アーカイブサンプル

DSDP, ODPによる四国海盆基盤岩の回収は、四国海盆中央部のLeg 58 Site 442~444と、南海トラフ沈み込み帯のLeg 131 Site 808で行われている。これらの基盤岩の化学分析値は、DSDPおよびODPの報告書で報告されているが、Leg 58は1980年頃、Leg 131は1990年頃の分析である。このため、当時の分析手法の技術的制約から、特に微量元素の10ppm以下の低濃度の部分で精度が低く、現在の最新の分析手法による分析値と比較するには問題が多い。特に「元素比」を比較する場合、元素濃度の有効桁数が低いことから、有意な値が得られないことがある。2016年合同大会では、IODP Exp. 333 Site C0012で得られた四国海盆基盤岩に観察された変質作用を考察したが、比較対象として、Site 442~444, 808の基盤岩を用いている。この際、化学分析データが、DSDP, ODPの報告書以降、新たな分析の報告がなく、データが上記のような問題を含んでいたため、テキサスA&M大学に保管されているアーカイブサンプルを入手し、Exp. 333のサンプルと同じ分析手法で再分析を行った。本報告では、再分析されたデータが示す四国海盆基盤岩の化学的特徴、および再分析の「意義」について報告したい。