日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EJ] Eveningポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD02] 測地学一般・GGOS

2018年5月23日(水) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:松尾 功二(国土地理院)、横田 裕輔(海上保安庁海洋情報部)、若杉 貴浩(国土交通省国土地理院)

[SGD02-P10] GNSS Campaign観測による2016年熊本地震の余効変動

*宮町 凛太郎1松島 健2内田 和也2手操 佳子2中元 真美2 (1.九州大学大学院理学府地球惑星科学専攻、2.九州大学大学院理学研究院付属地震火山観測研究センター)

キーワード:2016年熊本地震、GNSSキャンペーン観測、余効変動

1999年10月以降布田川-日奈久断層帯において,地殻浅部の地震活動が活発化し,2000年6月にマグニチュード4.8の地震が日奈久断層北端部で発生した.我々は日奈久断層深部のすべりの有無を明らかにし,断層へのローディングプロセスに関する知見を得るために,宇土市住吉町から美里町早楠の日奈久断層に直交する西北西~東南東方向約30kmの測線上に11ヵ所の基準点(Fig1,KM01ーKM11)を設定し,2000年から2010年までGNSS Campaign観測を始めた.基準点では木製精密三脚を使用してアンテナを固定し,2~3日間のデータを取得していた.

 2016年4月の熊本地震発生後,急遽同測線の再測定を行った。観測中も地震活動は活発であったが、三脚のずれは一部の観測点(KM04,2mm)を除いて生じなかった.これらの熊本地震発生時の地殻変動については最大で50cmの地殻変動が観測された.ただし,日奈久断層近傍では変位量が比較的小さくなっていることから,地震断層は地表に到達していないこと,また断層の食い違いは,測線の北側の日奈久断層北部セグメント内におさまっていること.地下の地震断層は,地表で確認されている活断層のトレースより1~2km程度海側に寄っていることが分かっている.また,測線の南部の日奈久断層の中部・南部セグメントは今回の活動でまだ大きく動いていないことも分かった.

 熊本地震発生後も,余効変動は日奈久断層も含めて非常に活発な状態が現在も継続しており,その余効変動を調べる目的で同測線の再測定を2016年7月上旬,2017年7月上旬に実施した.
 また,2016年7月下旬に八代郡氷川町の日奈久断層に直行する北西~南東方向約10kmの測線上に新たに6か所の基準点(KM13ーKM18)を設定し(南測線),同様に2~3日間の測定を行った。これらの取得データから余効変動の推測を行う.


謝辞
本研究の一部は,科学研究費補助金「2016年熊本地震と関連する活動に関する総合調査 JP16H06298 および平成28年度熊本地震を踏まえた総合的な活断層調査」によって実施された.また,本研究は文部科学省による「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」および東京大学地震研究所共同研究プログラムの支援をうけた.ここに記して感謝する.