日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] Eveningポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GL 地質学

[S-GL31] 地域地質と構造発達史

2018年5月20日(日) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:山縣 毅(駒澤大学総合教育研究部自然科学部門)、大坪 誠(産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門)

[SGL31-P05] 千葉県九十九里平野の浅部地下構造

*山口 和雄1伊藤 忍1木下 佐和子1 (1.産業技術総合研究所)

キーワード:九十九里平野、反射法地震探査、沖積層基底、埋没谷、上総層群

千葉県九十九里平野の沿岸陸域3箇所で反射法地震探査による地下構造調査を実施した.測線長さは九十九里町域が4486m,横芝光町域が3550m,旭市域が7006mである.主な機器と諸元は3本の測線ともほぼ同じで,震源:油圧インパクタ(JMI-200あるいはJMI-400),測点間隔:2m,受振器数:1受振点に1個(シングル),固有周波数:28Hz,同時受振チャネル数:192ch,最大オフセット:382m,発震受振展開:192固定受振点の1~48点目で発震,探鉱器:DSS-12,垂直重合:5回あるいは10回,等とした.

沖積層基底付近の反射面は,九十九里町域ではほぼ平坦,横芝光町域と旭市域では凹凸を伴い局所的な凹部は埋没谷と考えられる.沖積層以深は,九十九里町域と横芝光町域の反射面は断続的で,特定の傾斜は見られない.これに対して,旭市域の反射面は先新第三系基盤上面まで捉えられ,測線内での基盤深度は900mに達する.反射面の連続性は非常に良好で,堆積層は整合で成層構造を成し,基盤上面も鮮明である.基盤は見掛け上,南西に傾斜し,堆積層は下位ほど傾斜が大きく,南西に向けて層厚が増加する.

3箇所の反射断面の堆積層中に高角の断層が見られ,旭市域では断層の発達が顕著である.

九十九里町域と横芝光町域の反射面の断続箇所は上ガスの貯留層を示唆する.