[SSS08-P17] 重力異常から見た鹿野―吉岡断層の特徴
キーワード:重力勾配テンソル、二次元タルワニ法、鳥取平野、密度構造、水平一次微分
鳥取県東部に位置する鹿野―吉岡断層は全長26 km であり、1943年鳥取地震の際に約13 kmの地表地震断層が鹿野断層、吉岡断層に沿って現れた。鳥取地震の震源断層は鳥取平野下を横断すると推定されている(Kanamori, 1972)が、その存在を捉えた研究はほとんど無い。近年、重力異常や重力勾配テンソルを用いた地下の断層構造の推定が行われている(Kusumoto, 2016; Matsumoto et al., 2016)。本研究では、鹿野―吉岡断層周辺地域における稠密な重力測定結果に基づき、重力異常データから得られる鹿野―吉岡断層の特徴について報告する。
本研究では2017年6月と9月、10月に現地で測定した重力異常データに加えて、鳥取大学の既往データ、国土地理院 (2006)、Yamamoto et al. (2011)、産総研地質調査総合センター (2013)のデータを使用した。2300 kg/m3 の補正密度でブーゲー補正および地形補正を行い、さらにトレンド処理および遮断波長1 km のローパスフィルター処理を行ったブーゲー異常データを解析に用いた。
ブーゲー異常からは鹿野―吉岡断層に関連する特徴を見るのは困難であるが、断層に直交する方向の水平勾配をとると、吉岡断層と岩坪断層では横ずれ断層に特徴的な分布と似た勾配分布が部分的に得られた。鳥取平野に設定した測線上のブーゲー異常の変曲点の位置は、吉岡断層と鳥取平野を挟んで東側に位置する断層を結んだ線とほぼ一致し、平野下に伏在する断層を捉えている可能性がある。野口ほか(2003) の解析結果を参照し、鳥取平野中央部の測線において二次元タルワニ法による密度構造解析を行った結果、約130 mの深度において約30 mの鉛直変位が存在する可能性があることが判明した。
謝辞:本研究は科研費基盤研究費(C)17K05629の助成を受けたものである。また、国土地理院、Yamamoto et al. (2011)、産業総合技術研究所地質調査総合センターによる重力データを使用した。記して感謝します。
本研究では2017年6月と9月、10月に現地で測定した重力異常データに加えて、鳥取大学の既往データ、国土地理院 (2006)、Yamamoto et al. (2011)、産総研地質調査総合センター (2013)のデータを使用した。2300 kg/m3 の補正密度でブーゲー補正および地形補正を行い、さらにトレンド処理および遮断波長1 km のローパスフィルター処理を行ったブーゲー異常データを解析に用いた。
ブーゲー異常からは鹿野―吉岡断層に関連する特徴を見るのは困難であるが、断層に直交する方向の水平勾配をとると、吉岡断層と岩坪断層では横ずれ断層に特徴的な分布と似た勾配分布が部分的に得られた。鳥取平野に設定した測線上のブーゲー異常の変曲点の位置は、吉岡断層と鳥取平野を挟んで東側に位置する断層を結んだ線とほぼ一致し、平野下に伏在する断層を捉えている可能性がある。野口ほか(2003) の解析結果を参照し、鳥取平野中央部の測線において二次元タルワニ法による密度構造解析を行った結果、約130 mの深度において約30 mの鉛直変位が存在する可能性があることが判明した。
謝辞:本研究は科研費基盤研究費(C)17K05629の助成を受けたものである。また、国土地理院、Yamamoto et al. (2011)、産業総合技術研究所地質調査総合センターによる重力データを使用した。記して感謝します。