日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] Eveningポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS11] 地殻構造

2018年5月24日(木) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:青柳 恭平(電力中央研究所)

[SSS11-P03] 福島県会津坂下町における反射法地震探査

*伊藤 忍1木下 佐和子1山口 和雄1内田 洋平1石原 武志1 (1.産業技術総合研究所)

キーワード:反射法地震探査、会津盆地

会津盆地の地表地形は阿賀川の流れに沿って西に傾斜している。沖積層に覆われた塔寺層などの形状は,地表地形の傾向と一致しているとは限らない。盆地の東西に見られる露頭やボーリングデータからその形状は推定されているが,連続的なデータを得られているわけではない。盆地の変動の履歴を推定するには連続的なデータの取得が有益であり,反射法地震探査は有効なツールのひとつである。

我々は,福島県会津坂下町の塔寺地区から東に向かって約4.8kmの測線で反射法地震探査を実施した。調査は2017年10月9日から18日まで実施した。発震・受振点間隔は2mとした。受振にはテレメトリー型探査システムを使用した。同時受振点数は192,展開長は382mである。サンプリング間隔は0.5ms,記録長は2秒である。発震はミニインパクター(JMS-Mini65)を使用し,各点につき3回発震した。

発震記録を確認すると,ノイズの振幅が大きいものの,測線全体に2.0km/sで伝播する明瞭な初動が見られる。これは屈折波である。この相は震源近傍では後続波となり,反射波と認識される。この他にも,震源近傍では0.6秒付近まで複数の反射イベントが見られる。

この記録を用いて定速度で時間断面を作成したところ,多くのイベントがイメージングされた。しかしながら,ノイズによる偽像が混入していると予想される。反射イベントの連続性を確認するためにはノイズを丁寧に除去する必要があり,今後実施する予定である。