[SSS11-P05] 屈折法地震探査による駿河湾石花海周辺の地下速度構造
キーワード:東海地震、駿河湾、地震活動、地殻構造
東海大学海洋学部と気象庁気象研究所では,2012年から東海地震の震源域である駿河湾石花海周辺海域で自己浮上式OBSを用いた地震観測を継続して実施している.OBS観測点は3ないしは4観測点が展開され,3ヶ月に1回の割合で設置・回収を繰り返し,連続観測を継続している.地震の震源を決定するためには,地下速度構造が特に重要である.2016年11月,東京海洋大学練習船「神鷹丸」によって,OBS上でエアガンを用いた屈折法地震探査が実施された(鶴我ほか,2017).本研究では,OBSとエアガンによる屈折法地震探査の結果について,報告を行なう.
D測線では,2台のOBSの他にも,4台のOBSを展開した.このうち4台のOBSで良好な記録が得られた.4台のOBSで得られた屈折法地震探査の結果から,まず一次速度構造モデルを決め,波線追跡法によって詳細な地下速度構造モデルを試行錯誤的に求められた.
求められたD測線の地下速度構造モデルは,以下のような特徴を有している.
堆積層は,反射法地震探査によって反射断面が示されている.この結果,諸所で断層が確認でき,層の厚さは海底面の起伏に沿って約0.4 kmで存在する. 第2層目の速度は,2.9 km/secとした.この層は堆積層第2層と解釈することができる.この層は,測線の中央部で薄く,測線両端で分厚くなる. 第3層は,音響基盤の4.7 km/secで,石花海北堆西側斜面付近で層は薄い. 第4層目の速度は,5.1 km/secとした.大陸性地殻の上面と考えられる. 本論は花崗岩質層が検出できなかったが,深さ8 kmまでの構造を明らかにできた.
D測線では,2台のOBSの他にも,4台のOBSを展開した.このうち4台のOBSで良好な記録が得られた.4台のOBSで得られた屈折法地震探査の結果から,まず一次速度構造モデルを決め,波線追跡法によって詳細な地下速度構造モデルを試行錯誤的に求められた.
求められたD測線の地下速度構造モデルは,以下のような特徴を有している.
堆積層は,反射法地震探査によって反射断面が示されている.この結果,諸所で断層が確認でき,層の厚さは海底面の起伏に沿って約0.4 kmで存在する. 第2層目の速度は,2.9 km/secとした.この層は堆積層第2層と解釈することができる.この層は,測線の中央部で薄く,測線両端で分厚くなる. 第3層は,音響基盤の4.7 km/secで,石花海北堆西側斜面付近で層は薄い. 第4層目の速度は,5.1 km/secとした.大陸性地殻の上面と考えられる. 本論は花崗岩質層が検出できなかったが,深さ8 kmまでの構造を明らかにできた.