日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] Eveningポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS13] 地震予知・予測

2018年5月24日(木) 17:15 〜 18:30 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:馬場 俊孝(徳島大学大学院産業理工学研究部)

[SSS13-P01] 三つの津波地震の前震活動に関する研究

*劉 弋鋒1伊藤 喜宏1太田 和晃1片上 智史1 (1.京都大学防災研究所)

キーワード:津波地震、スロースリップイベント、時空間分布、ニカラグア地震

陸上で観測される地震動に比べて、大きな津波を伴う津波地震の事例がこれまでにいくつか報告されている。本研究では、典型的な津波地震の事例としてよく知られている1992年ニカラグア地震(1992/09/02, Mw7.7)・2006年ジャワ地震(2006/07/17, Mw7.7)・2010年メンタワイ地震(2010/10/25, Mw7.8)に注目し、特に本震発生前にスロースリップを示唆する前震活動の有無を検証した。
 データはISC及びUSGSで公開されている地震カタログを使用した。それぞれ本震発生前の3ヶ月間について前震活動の有無を調べた。結果として、1992年ニカラグア地震では、本震発生前の8月10日から13日にかけて、本震の震源近傍でM5前後の3つの地震活動が確認された。それらの震源はいずれも本震破壊開始点の西側10km以内の範囲に集中し、北東から南西方向への震源域の移動も確認できた。
 特にM3.5以上の地震活動は8月以降、ニカラグア沿岸部で急激に上昇し、結果として3ヶ月間のイベントの半数以上が本震発生前の約1ヶ月間に集中していることがわかった。一方で、このような顕著な地震活動の増加はジャワ地震、メンタワイ地震の前では見られなかった。これらの結果から、ニカラグア地震にだけ顕著な前震活動が伴った可能性を示唆する。