[SVC41-P12] 草津白根山2018年1月23日水蒸気爆発を考える
キーワード:草津白根火山、水蒸気爆発、火口列
2018年1月23日10時前後、草津白根火山は突然噴火した。常々警戒されていた白根山(白根火砕丘)からではなく、草津白根火山本体の本白根山(本白根火砕丘)からの噴火で、水蒸気爆発であった。弾道を描いて落下する岩塊がスキー客の逃げ惑う雪原に雪煙を上げ、火山礫~火山灰がスキーゴンドラに音を立てて降り注ぎ、振り返れば黒い鶏冠状噴煙が勢いよく立ち上がり、枝をつけた立木も樹幹ごと放り出されるなど、固定カメラやスキー客の生々しいビデオ映像がTV等を通じて素早く紹介された。火口の状態は雪雲の中しばらく見えず、晴れた26日になって初めて、ヘリ映像により明らかになった。鏡池火口北側に隣接する火口の北側に西北西~東南東方向に並ぶ火口列で延長約200m、西隣の峰(双子山円頂丘)裾に開いたものまで含め全延長約500mと見られた。本白根火砕丘上の火口列は既存のものとほぼダブっており、本火山に卓越した方向である。
地形および過去の噴火史からみると、草津白根火山全体は大規模噴火に伴う山体(主に火砕丘群とそれに伴う主火口群)は北東~南西方向を主軸に雁行配列し、その間の小規模噴火(小火口群)はそれにほぼ直交する北西~南東方向を主な副軸として配列しているものが多い。今回もそれに沿ったものであった。これらの方向は共役断層に準えれば東側からの主応力を反映したものかもしれない。
筆者は2009年2月に本白根山の上空観察を行っている。小火口は多数見られる。その時の写真をも示し、本火山の噴火活動の特徴を示したい。なお、今回の噴火後これまで、火口内の雪原に熱的影響は見られず、新たな噴火も起きていない。今後雪解けに向かい、地上調査も必要となるが、その際「鳥地獄」には注意を要する。無色・無臭の有毒ガスが低所に滞留している恐れがある。
地形および過去の噴火史からみると、草津白根火山全体は大規模噴火に伴う山体(主に火砕丘群とそれに伴う主火口群)は北東~南西方向を主軸に雁行配列し、その間の小規模噴火(小火口群)はそれにほぼ直交する北西~南東方向を主な副軸として配列しているものが多い。今回もそれに沿ったものであった。これらの方向は共役断層に準えれば東側からの主応力を反映したものかもしれない。
筆者は2009年2月に本白根山の上空観察を行っている。小火口は多数見られる。その時の写真をも示し、本火山の噴火活動の特徴を示したい。なお、今回の噴火後これまで、火口内の雪原に熱的影響は見られず、新たな噴火も起きていない。今後雪解けに向かい、地上調査も必要となるが、その際「鳥地獄」には注意を要する。無色・無臭の有毒ガスが低所に滞留している恐れがある。