[SVC41-P17] 立山カルデラ新湯の水位変動観測結果
キーワード:新湯、弥陀ヶ原、立山、水位変動、間欠泉
富山県の立山カルデラに位置する新湯はお湯で満たされた火口湖で,弥陀ヶ原火山の火山活動によって形成された.直径は約40m,深さは約5mで,水温は約70度である.流入河川はなく,湖底にある噴出口から熱湯が湧き出すことによって水位を維持しており,長らく満水状態を保っていたが,2014年に干上がりが確認されて以降,干上がりと満水を繰り返すようになった.これは一種の間欠泉と考えられる.
本研究では,2017年6月から10月にかけて,新湯の水位変動を調査するため,新湯の近傍に広帯域地震計と水位計を設置して観測を行なったほか,お湯の温度測定やpH測定を行なった.
新湯の水位変動は4つの期間(干上がり,上昇,満水,下降期間)に分けられ,目視観測では,新湯の干上がり,上昇,満水時の様子を観測することができた.水位上昇時と満水時は,お湯とともにガスが噴出しており,満水時はあふれたお湯が,火口壁の隙間から,湯川へと流れ出している.また,水温は70度程度で一定を保っていたが,お湯のpHは水位によって変化していることがわかった.
水位計による観測では,およそ7周期分の水位変動データを得ることができた.その結果,水位の下降期間(このときお湯はすべて噴出口の中にドレインバックする)は約0.5日,干上がっている期間は約3日,水位の上昇期間は約4日で,ほぼ一定であったが,満水期間は0~20日まで多様性があることがわかった.また,お湯が湧き出す初期段階では,単に水位が上昇せず,上昇と下降を規則正しく繰り返す現象も観測された.
広帯域地震計による観測では,断片的ではあるが,水位変動およそ2周期分のデータを得ることができた.短周期の波形では,水位上昇期間と満水期間に振幅の周期的な増大がみられた.また,長周期の波形には,水位変動との関係性は明瞭でないもののパルス状の波形が観測された.これらの波形は,上下動に比べ,水平動の振幅が格段に大きいことから,浅い場所に震動源を持つと推察される.
これらの分析結果は,水位変動の原因を探るための重要な手がかりとなるが,データを収録できた期間が短かったため,今年,再度観測を行う予定である.
本研究では,2017年6月から10月にかけて,新湯の水位変動を調査するため,新湯の近傍に広帯域地震計と水位計を設置して観測を行なったほか,お湯の温度測定やpH測定を行なった.
新湯の水位変動は4つの期間(干上がり,上昇,満水,下降期間)に分けられ,目視観測では,新湯の干上がり,上昇,満水時の様子を観測することができた.水位上昇時と満水時は,お湯とともにガスが噴出しており,満水時はあふれたお湯が,火口壁の隙間から,湯川へと流れ出している.また,水温は70度程度で一定を保っていたが,お湯のpHは水位によって変化していることがわかった.
水位計による観測では,およそ7周期分の水位変動データを得ることができた.その結果,水位の下降期間(このときお湯はすべて噴出口の中にドレインバックする)は約0.5日,干上がっている期間は約3日,水位の上昇期間は約4日で,ほぼ一定であったが,満水期間は0~20日まで多様性があることがわかった.また,お湯が湧き出す初期段階では,単に水位が上昇せず,上昇と下降を規則正しく繰り返す現象も観測された.
広帯域地震計による観測では,断片的ではあるが,水位変動およそ2周期分のデータを得ることができた.短周期の波形では,水位上昇期間と満水期間に振幅の周期的な増大がみられた.また,長周期の波形には,水位変動との関係性は明瞭でないもののパルス状の波形が観測された.これらの波形は,上下動に比べ,水平動の振幅が格段に大きいことから,浅い場所に震動源を持つと推察される.
これらの分析結果は,水位変動の原因を探るための重要な手がかりとなるが,データを収録できた期間が短かったため,今年,再度観測を行う予定である.