[SVC41-P23] 精密水準測量によって検出された御嶽山2014年噴火後の上下変動(2014-2017)
キーワード:精密水準測量、御嶽火山、上下変動
長野県・岐阜県境の御嶽山において2014年9月27日に水蒸気噴火が発生した。2014年御嶽山噴火の収束の過程、および次の活動への準備過程の解明を目的として、御嶽山東山麓において精密水準測量を繰り返し実施してきた。東山麓には、路線距離38km・水準点数98点で構成される桟路線、屋敷野路線、木曽温泉路線、中の湯・御岳ロープウエイ路線が設置されている。2014年10月、2015年4月、2016年9月の測量に続き、2017年4月24日~27日に全路線の測量を実施した。
2016年9月19日~22日と2017年4月24日~27日の測量結果を比較すると、約半年の期間で、上松(BM34)の不動点に対して、御岳ロープウエイ・中の湯路線で約5mmの沈降を検出した。最大沈降を示す水準点はBM417であり、値は7mmである。
木曽温泉路線および御岳ロープウエイ路線の水準点の時系列から、上下変動は2014年噴火後にわずかに隆起を示したものの、2016年9月~2017年4月には沈降に転じたことが明らかとなった。沈降は山頂付近の狭い領域において顕著である。木曽温泉路線の時系列では、2014年噴火前(2006年~2013年)には山体の隆起が長期的に継続したが、噴火後の時間変化はこれと異なる。山頂付近で検出された収縮は、2014年噴火に関連する活動の沈静化を示すものと考えられる。
また、2017年6月25日にM5.6 の地震が測量路線直下で発生した。この地震による影響を把握するために、路線の一部(屋敷野路線および木曽温泉路線)での測量を9月10日~11日に実施した。M5.6 の地震を含む期間の2017年4月24日~27日と9月10日~11日の測量結果を比較すると、BM16を基準として屋敷野路線および木曽温泉路線に隆起が検出された。最大隆起は屋敷野路線のBM213の28mmである。地震に伴う隆起量は、2014年噴火後の測量によって検出されている変動量よりも大きく、来年度以降の御嶽山の火山活動に伴う地殻変動の議論の際にこの地震の影響を慎重に考慮する必要がある。
2016年9月19日~22日と2017年4月24日~27日の測量結果を比較すると、約半年の期間で、上松(BM34)の不動点に対して、御岳ロープウエイ・中の湯路線で約5mmの沈降を検出した。最大沈降を示す水準点はBM417であり、値は7mmである。
木曽温泉路線および御岳ロープウエイ路線の水準点の時系列から、上下変動は2014年噴火後にわずかに隆起を示したものの、2016年9月~2017年4月には沈降に転じたことが明らかとなった。沈降は山頂付近の狭い領域において顕著である。木曽温泉路線の時系列では、2014年噴火前(2006年~2013年)には山体の隆起が長期的に継続したが、噴火後の時間変化はこれと異なる。山頂付近で検出された収縮は、2014年噴火に関連する活動の沈静化を示すものと考えられる。
また、2017年6月25日にM5.6 の地震が測量路線直下で発生した。この地震による影響を把握するために、路線の一部(屋敷野路線および木曽温泉路線)での測量を9月10日~11日に実施した。M5.6 の地震を含む期間の2017年4月24日~27日と9月10日~11日の測量結果を比較すると、BM16を基準として屋敷野路線および木曽温泉路線に隆起が検出された。最大隆起は屋敷野路線のBM213の28mmである。地震に伴う隆起量は、2014年噴火後の測量によって検出されている変動量よりも大きく、来年度以降の御嶽山の火山活動に伴う地殻変動の議論の際にこの地震の影響を慎重に考慮する必要がある。