日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 災害を乗り越えるための「総合的防災教育」

2018年5月20日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:中井 仁(小淵沢総合研究施設)、小森 次郎(帝京平成大学)、林 信太郎(秋田大学大学院教育学研究科)

[G03-P06] 学校現場における地盤の堆積環境の解析と構造物クラックの判読から作る生徒主体の災害予測モデルづくり

*中村 亮1新谷 直己2 (1.宮城県利府高等学校、2.東北大学大学院理学研究科地学専攻)

キーワード:活断層、火砕堆積物、震動モデル、応力

著者の勤務する宮城県利府高校は長町―利府断層の逆断層のスロープ上に位置する学校である。この断層の動きはこの5万年間で数回動いたと目されているが(地震調査研究推進本部ほか)、直下型の活動からくる直接の被害については予測地震動の強さ(仙台市ハザードマップほか)を除いて不明なところも多い。またこの断層直上の堆積環境の調査をこれまでボーリングコア試料(深度20m以浅)から生徒に行わせているが(中村,2017), 大きく目立つのは砂岩と火砕岩の互層であった。



 この地質構造から地域に災害をもたらすのは地震に加え可能性のある火山噴火について記述をさせるべく火砕物の解析を行っている。またその火砕物が砂岩層に交互に入り込むことによって,どう上の構造物へ不均質な沈下をもたらすのかを調べモデル作りをさせ,実際の構造物におけるクラックの様子から地震動(あるいは定常的な地盤変動を含めて)による応力の加わり方を記述させた。



(1)火砕物の解析

 凝灰岩・軽石層を含めその成分から見ると大きく分けて3期に分かれることを解明させられた。一方でその起源の火山については同定が難航している。

(2)互層による地震動モデル作り

 火山灰・砂岩の互層から震動装置を制作させて実験を行わせた。均質な砂岩よりも一定の火山灰が入っていると,より振動に強くなることが判明した。

(3)構造物中のクラックの記述

 直下型の振動だけでなく逆断層上に建造されたため盛り土の影響があるとみられるが,それでも太平洋プレートーユーラシアプレートの応力の集中する場としてその方向を見積もらせる活動を行っている。