日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04] 地球惑星科学のアウトリーチ

2018年5月20日(日) 13:45 〜 15:15 104 (幕張メッセ国際会議場 1F)

コンビーナ:植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)、長谷川 直子(お茶の水女子大学、共同)、大木 聖子(慶應義塾大学 環境情報学部)、座長:長谷川 直子植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)

15:00 〜 15:15

[G04-18] 生痕化石を題材としたアウトリーチ活動の重要性と実践報告(概要)

*泉 賢太郎1 (1.千葉大学教育学部)

キーワード:生痕化石、アウトリーチ

本発表では、生痕化石を題材としたアウトリーチ活動の重要性について考察するとともに、簡単な実践報告を行う。

生痕化石とは生物の行動の痕跡が地層中に保存されたものであるので、それを研究することで古生物の詳細な行動生態を解明することができる。さらに、一部の生痕化石群集に注目することにより、地層の堆積環境を復元できることが分かっている。このような意味で、生痕化石は地質学や古生物学の分野では重要な研究対象である。

しかし、生痕化石とともにそれを形成した生物が地層中に保存されることは極めて稀なので、生痕化石に記録された古生態情報を適切に解釈するためには、現生生物の行動生態に関するデータが不可欠である。したがって、生痕化石の研究には地質学及び生物学の両方の知見が必要となる一方で、見方を変えれば、地質学のアウトリーチの題材として非常に優れたポテンシャルを持つと考えることができる。なぜなら、生痕化石は生物学分野に関心がある人々にとっても学習の入り口となり得るため、生痕化石を題材としたアウトリーチ活動を行うことで、最終的には地質学分野への門戸を拡大することが可能だからである。

一方で、生痕化石研究のアウトリーチ活動は、地球惑星科学分野のその他のアウトリーチ活動と比べると、極めて実践例が少ないのが現状である。したがって本発表では、著者が最近実践してきた生痕化石を題材としたアウトリーチ活動の事例をいくつか報告する。