日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-05] 小・中・高等学校,大学の地球惑星科学教育

2018年5月20日(日) 15:30 〜 17:00 102 (幕張メッセ国際会議場 1F)

コンビーナ:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、座長:丹羽 淑博畠山 正恒(聖光学院)

16:30 〜 16:45

[G05-11] 地学バーチャル巡検教材の開発 − 最新のIT技術を駆使したアクティブ・ラーニングの地学授業 −

庄司 真史1、*小林 佑介1河合 研志2佐藤 友彦3 (1.株式会社ライブ・アース、2.東京大学、3.東京工業大学)

キーワード:地学、バーチャルリアリティ、ドローン、仮装巡検、城ヶ島、アクティブラーニング

地学教育において,実際の地質構造に触れることで理解を深められる野外巡検は極めて重要である。しかし,地学的に重要なスポットは点在しており,アクセスが困難なことも多く,移動時間やコスト,参加者の安全等を考慮すると巡検を頻繁に実施するのは容易ではない。そこで筆者らは,模式的な地学巡検地の一つである神奈川県三浦半島の城ヶ島を題材に,360度カメラで撮影した画像によるバーチャルリアリティ,ドローン空撮,ウェブアプリ化といった最新のIT技術を駆使して,仮想的に露頭観察ができる巡検教材を開発した。また,教科書のように重要事項を所与とするのとは対照的に,仮想巡検により現場を散策させ,問いに対するヒントを自分で探させ考えてもらう仕組みを設け,実際に地学授業を実践した。その結果,多くの生徒から,本授業を大いに楽しみ,また,地学は暗記科目ではなく証拠から仮説を立て検証するサイエンスであると気づいたとのポジティブなフィードバックを多数得られた。今後,これらの教材を活用した,生徒の主体性を引き出し楽しめる地学授業が増えることを期待する。