日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG21] 気候-人間システムの相互作用

2018年5月21日(月) 15:30 〜 17:00 A02 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:立入 郁(海洋研究開発機構)、横畠 徳太(国立環境研究所)、田中 克政(国立環境研究所、共同)、高橋 潔(国立研究開発法人国立環境研究所)、座長:立入 郁(海洋研究開発機構)、横畠 徳太(国立環境研究所)

16:00 〜 16:15

[HCG21-07] 全球的なCO2回収貯留付きバイオ燃料生産導入における灌漑の持続可能性と効果について

*Hanasaki Naota1周 茜1 (1.国立環境研究所)

キーワード:二酸化炭素回収貯留付きバイオ燃料、水資源、灌漑

パリ協定に掲げられた2℃目標達成のため、二酸化炭素回収貯留付きバイオ燃料生産(BECCS)は実現可能性の高い技術と考えられている。バイオ燃料を大量生産するには広大な農地が必要であるが、灌漑を行って単収を高められれば必要な土地を少なくすることができる。ただし、水資源は世界の多くの地域で既に逼迫しており、バイオ燃料への灌漑は水不足を助長する恐れがある。全球水資源モデルH08を利用することで、持続可能性の高い灌漑が実現可能なバイオ燃料作物の農地分布を検討した。シミュレーションの結果は、灌漑農地の潜在的な拡張性がある地域は主に熱帯と中高緯度に集中することが示された。これらの地域はもともと湿潤なため、灌漑の効果は限定されることが明らかになった。

謝辞:本研究は、(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(S-14-5)により実施された。