日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG29] 高レベル放射性廃棄物処分: 理学・工学の両面から考える

2018年5月24日(木) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:末次 大輔(海洋研究開発機構 地球深部ダイナミクス研究分野)、寿楽 浩太(東京電機大学工学部人間科学系列)、金嶋 聰(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門、共同)、鷺谷 威(名古屋大学減災連携研究センター)

[HCG29-P02] セッション「原発と地球科学」を通じて明らかになったこと

*金嶋 聰1 (1.九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)

キーワード:地球科学、原子力発電所、公共の議論

本ポスターでは、過去5年間の「原発と地球科学」セッションにおける議論を整理し、さらにそれらを踏まえて高レベル放射性廃棄物処分の問題について考える。昨年までのセッションでは、基準地振動、活断層、海溝型巨大地震の発生予測、津波予測、巨大火山噴火予測、などの問題についてそれぞれの専門家を招き議論を行った。そこでは、地球科学が原発と関わる問題の多くが、科学によって確かな解答を出すことが困難な種類の問題であることが改めて確認された。さらにこの様な問題に対しては、リスクと便益の両面から、社会の色々なレベルで公共の場における議論が行われる必要があることも明らかになった。より身近なレベルでは、地球科学に関連した理学者と工学者の間の対話と相互理解を促すことが強く望まれる。明らかに、今後一層議論されるべきは「では地球科学者は個人あるいは集団として具体的に何をすればよいのか」という点であろう。社会に向けて専門知を提供する立場にある地球科学者が、社会に対し取り得る姿勢には具体的にどういう選択肢があるだろうか。ポスターではこの様な観点から考察する。また本ポスターでは、これまでに議論した上記の様な問題と比較した時、高レベル放射性廃棄物処理問題はそれらとどのような特徴を共有し、またどのような特殊性を持つのかという点についても整理する。