日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG30] 圏外環境における閉鎖生態系と生物システム

2018年5月20日(日) 13:45 〜 15:15 202 (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:富田ー横谷 香織(筑波大学生命環境系)、木村 駿太(筑波大学大学院生命環境科学研究科)、座長:富田‐横谷 香織

14:20 〜 14:35

[HCG30-04] 陸棲藍藻Nostoc sp. HK-01の遊離アミノ酸量を指標とした宇宙食材としての循環利用

*オン 碧1木村 靖子2木村 駿太1富田ー横谷 香織1 (1.筑波大学、2.十文字学園女子大学)

キーワード:陸棲藍藻Nostoc sp. HK-01、アミノ酸分析、宇宙食材

窒素固定を行う光合成微生物Nostoc sp. HK-01(以降、HK-01)は、乾燥状態において高い宇宙環境耐性を有することから、閉鎖環境における火星農業の初期導入微生物として注目されている。HK-01の藻体は栄養価が高く、タンパク質を豊富に生産することから食資源としての有用性が示されているが、細胞内外に含まれるアミノ酸についての詳細な報告は未だされていない。アミノ酸はタンパク質を構成し、ヒトの生命活動を支える重要な働きをする。本研究は、HK-01の遊離アミノ酸量について分析することを目的とした。HK-01は細胞外に乾燥や紫外線から藻体を保護するための細胞外物質(Extracellular substances: ES)を生産する。HK-01の細胞内外の遊離アミノ酸量をHK-01の乾燥藻体の抽出物から定量した。宇宙環境における紫外線利用の可能性を検証するために、乾燥藻体に紫外線照射を行い、紫外線照射による遊離アミノ酸量の変化を調べた。結果から、HK-01はヒトのタンパク質を構成する17種類のアミノ酸を生産し、UV照射によってESのアミノ酸量が増加することが示された。HK-01を宇宙食材として閉鎖環境下で循環利用する方法を考察した。