日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG30] 圏外環境における閉鎖生態系と生物システム

2018年5月20日(日) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:富田ー横谷 香織(筑波大学生命環境系)、木村 駿太(筑波大学大学院生命環境科学研究科)

[HCG30-P02] 擬似微小重力環境がトマトの生活環に及ぼす影響

*高瀬 由杏1木村 駿太1富田ー横谷 香織1 (1.筑波大学)

キーワード:トマト、微小重力

人間が宇宙で長期滞在する為には、食糧確保が大きな問題となる。宇宙では、作物を育て収穫し、種を採取し、その種からまた作物を作るという食物の生活環を成立させる必要がある。本研究では、重力変化の影響を確かめるために、自作のクリノスタットを使用した擬似微小重力環境が矮性トマトの成長過程にどのような影響を与えるのかを、成長速度、育成形態、身や種のでき方、葉の元素分析を検証し、生活環が完成する環境を探ることを目的とした。結果、擬似微小重力下では成長速度が遅くなる、自発的形態形成が現れ、葉の蒸散面積・受光面積が減少する。また、栄養素の分布の変化が起こった。
その原因は、栄養分の吸い上げ能力や光合成能力の低下、カルシウム不足の為に細胞生産能力に問題が発生し、成長に必要はエネルギーが十分に得られなかったことなどが考えられる。そのために擬似微小重力環境では身や種の形成は難しいということがわかった。