日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS06] Advanced remote sensing toward Mega-Disaster Response

2018年5月21日(月) 09:00 〜 10:30 202 (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:栄珠 郭(水災害リスクマネジメント国際センター)、竹内 渉(東京大学生産技術研究所)、Biswajet Pradhan、座長:Kwak Young-Joo(ICHARM-UNESCO, PWRI)、Takeuchi Wataru(The University of Tokyo)、Pradhan Biswajeet(University of Technology Sydney)

09:15 〜 09:30

[HDS06-02] 「だいち2号」を用いたハリケーン・イルマの洪水被害把握

*永井 裕人1大木 真人1阿部 隆博1 (1.国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)

キーワード:合成開口レーダ、洪水、正規化後方散乱強度変化

ハリケーンなどによって引き起こされた大規模洪水の際には、広い地域を対象とした洪水マップの迅速な提供が必要とされる。本研究ではLバンド合成開口レーダ(SAR)であるPALSAR-2を用いて、新しい洪水マッピングの方法を提案する。洪水前のPALSAR-2画像(複数シーン)から後方散乱強度の平均と標準偏差を表わす画像を作成する。そして洪水後画像と平均値画像との差を標準偏差画像で除算することで異常な水域を強調する画像が得らる。これを正規化後方散乱強度変化(NoBADi:Normalized Backscatter Amplitude Difference Index)画像と定義し、2017年9月にハリケーン・イルマによる洪水被害を受けた米国フロリダ州西部に適用した。解析の結果、洪水息の抽出精度は洪水後観測(2017/9/12)と同日に観測された高分解能光学衛星画像によって妥当であることが検証された。この手法では、抽出閾値を増減させることによって、統計的に頻繁な浸水域であるのか稀な浸水域であるのかを定量表現することが可能であり、フロリダに見られるような潜在的な低湿地帯においても柔軟に利用できることが示唆された。