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[HDS10-13] 船舶航行データから見る津波の水平流速
★招待講演
キーワード:津波流、航行船舶
2011年の東北津波の波源近傍の沖合における船舶の航行データを追跡した。複数の船舶について、津波発生から約40分間のデータについて、進路と針路との間に顕著なずれが生じていた。針路に垂直な方向の速度成分について、船舶の移動速度と計算された津波速度は、振幅・位相ともよく合っていた。波抗力と慣性力とを考慮する、自由漂流する浮体の運動方程式を考えたところ、針路に垂直な方向の速度成分については、船舶の移動速度は津波の流れに短時間で応答し、両者の速度差も同時間で解消されると予想された。沖合を航行する船舶の、針路に垂直な方向の速度成分は、ほとんどそのまま、同方向の津波の流速成分として使えるのではないか。