日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS10] 津波とその予測

2018年5月24日(木) 10:45 〜 12:15 105 (幕張メッセ国際会議場 1F)

コンビーナ:山本 近貞 直孝(防災科学技術研究所)、今井 健太郎(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、対馬 弘晃(気象庁気象研究所)、座長:対馬 弘晃(気象庁気象研究所)、久保田 達矢

10:45 〜 11:15

[HDS10-13] 船舶航行データから見る津波の水平流速

★招待講演

*稲津 大祐1池谷 毅1早稲田 卓爾2日比谷 紀之2鴫原 良典3 (1.東京海洋大学、2.東京大学、3.防衛大学校)

キーワード:津波流、航行船舶

2011年の東北津波の波源近傍の沖合における船舶の航行データを追跡した。複数の船舶について、津波発生から約40分間のデータについて、進路と針路との間に顕著なずれが生じていた。針路に垂直な方向の速度成分について、船舶の移動速度と計算された津波速度は、振幅・位相ともよく合っていた。波抗力と慣性力とを考慮する、自由漂流する浮体の運動方程式を考えたところ、針路に垂直な方向の速度成分については、船舶の移動速度は津波の流れに短時間で応答し、両者の速度差も同時間で解消されると予想された。沖合を航行する船舶の、針路に垂直な方向の速度成分は、ほとんどそのまま、同方向の津波の流速成分として使えるのではないか。