日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS10] 津波とその予測

2018年5月23日(水) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:山本 近貞 直孝(防災科学技術研究所)、今井 健太郎(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、対馬 弘晃(気象庁気象研究所)

[HDS10-P17] 島越における2011年東北地方太平洋沖地震の3次元津波浸水シミュレーション

*津野 靖士1渡辺 健1佐藤 祐子1河路 薫2是永 眞理子2 (1.鉄道総合技術研究所、2.伊藤忠テクノソリューションズ)

キーワード:3-D津波浸水シミュレーション、2011年東北地方太平洋沖地震、島越

2011 年東北地方太平洋沖地震の津波では、岩手県下閉伊郡の島越において、鉄道構造物に大きな被害が生じた。そこで、本報告では、特に被害が大きかった島越駅の津波波動場と鉄道構造物に作用する津波外力を把握することを目的に、3-D津波浸水シミュレーションを実施した。

津波シミュレーションについては、内閣府により提案されている2011 年東北地方太平洋沖地震の断層モデルを使用し、沿岸までの領域に対しては15mメッシュの2-D津波シミュレーションを実施し、内陸の領域では5mメッシュの3-D津波浸水シミュレーションを実施した。2-D津波浸水シミュレーションの結果は、島越地区において約20mの浸水深が得られており、島越地区で観測された津波到達高さと同程度である。3-D津波浸水シミュレーションの結果より、南北長約200mに及ぶ鉄道構造物は、2011 年東北地方太平洋沖地震時に約10分間の津波浸水を受け、鉄道構造物に作用する津波外力としては津波遡上から約2分程度であることが分かった。その外力分布は鉄道構造物まわりで局所的に変化しているため、鉄道構造物を含む領域250mx100mにおいて1mメッシュの3-D津波浸水シミュレーションを実施した。さらに、1mメッシュの3-D津波シミュレーションから得られた津波外力分布に基づき、鉄道構造物のフレーム解析を実施したので、その結果も併せて報告する。