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[HQR04-04] 過去3000年間の日本人と日本社会が経験した気候・環境
キーワード:温度、気候、日本社会
高度に文明化された現代社会においても,気候変動は多大な影響を人間社会に与える.気温は最も重要な環境因子である.強い季節風が吹く冬の時期を除くと,海水の水温と大気の平均気温が高い相 関を示すことを利用し,アルケノン水温の精度が高いことに基づきを,噴火湾と広島湾で水温より気温を復元した.過去6,700年間の北日本(噴火湾)における温度変化と人類活動については,2016年のHQR15-07で発表したので,今回は過去3,000年間の西日本(広島,Kawahata, et al., 2017, Quaternary International, 440, 102-117)と北日本(噴火湾)における推定気温の結果を報告する.噴火湾の場合,比較的高温だった期間は,500~300AD,100BC~50AD,670~900AD,1900~2000ADであった.日本の南北の地域について概観すると,低温期は,1000~940BC,800~700BC,200BC前後,150~250AD,560~620AD,990~1150AD,1750~1900ADであった.日本社会で認められる社会の大枠の変革期が世紀以上の継続時間のある大寒冷期にタイミングが一致していた:(1)縄文/弥生時代境界イベント,(2)弥生/古墳時代境界イベント,(3)古墳時代/貴族政治時代境界イベント,(4)貴族政治/武家時代境界イベント,(5)武家時代/近代境界イベント.現在のところ背後にあるプロセスは未解決である.