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[HQR04-09] ベーリング海IODP323次掘削コアU1344に介在する第四紀テフラの岩石学的特徴
キーワード:ベーリング海、深海掘削コア、テフラ
IODP323次航海においてベーリング海中央部で掘削されたU1344コアには34層の火山性粒子を含む砂層が確認されすべて試料として採取した。採取された試料は、水洗、風乾後に250μm、 125μm、63μmサイズで篩い、実体顕微鏡による観察および63-125μmサイズの試料はスライドカラスに樹脂で固定し、透過光での顕微鏡観察を行っている。その結果、全試料に火山ガラスおよび火山性鉱物が混入していることを確認したので、EPMA(電子プローブマイクロアナライザー)で火山ガラスの主元素組成分析を行い、報告してきた(青木ほか、2011;長妻ほか、2011;青木ほか、2014)。その結果、U1344コア中に介在する一次堆積したと推定されるテフラ層は7枚確認され、もっとも最深部のテフラ層は約100万年前であることがわかった。U1344コア中の火山ガラスの主元素組成は、SiO2 は58-69 wt%、Na2O は 多いもので5.43 wt%、K2O は多いもので3.42 wt%で、安山岩質からデイサイト質の化学組成である。
U1344コアの南東259km地点で掘削されたU1343 コアは連続した酸素同位対比層序に基づいた年代モデルが構築され(Asahi, et al., 2014)、過去240万年間の間に21枚のテフラ層が介在していることが確認されている(Aoki et al., 2012; 2015)。一方でまた、U1344コアの採取地点はU1343コアに比べるとベーリング海の北寄りで、給源と考えられる火山地帯(カムチャッカ半島、アリューシャン列島、アラスカ半島など)からさらに離れていることから、63μmサイズよりも細粒な粒子も新たに分析対象とすることにした。U1344コアから採取された34試料のうち、8試料(そのうち2試料は同一テフラ層)のテフラ層を除いた26層の試料について、45-63μmサイズの粒子の火山ガラスの主元素組成を分析した。これらの試料には火山ガラスの含有量にばらつきがあり、他に円磨された鉱物や砂サイズの火山岩片、微化石等を多く含む。これらの26層の試料のうち、230.01-230.03 m層準(約0.500 Ma)では45-63μmサイズの粒子に火山ガラスを多く含み、それらの主元素組成も化学組成の傾向が類似した火山ガラスであることから、何らかのテフラ層がクリプトテフラとして混入していると推定される。本発表では、まだ詳細な年代軸がまだ確立していないU1344コアのテフラ層序と、年代モデルが構築されているU1343コアのテフラ層序の対比についての検討と、両地点に介在しているテフラ層の岩石学的特徴と火山ガラスの主元素組成の特徴について報告する。
U1344コアの南東259km地点で掘削されたU1343 コアは連続した酸素同位対比層序に基づいた年代モデルが構築され(Asahi, et al., 2014)、過去240万年間の間に21枚のテフラ層が介在していることが確認されている(Aoki et al., 2012; 2015)。一方でまた、U1344コアの採取地点はU1343コアに比べるとベーリング海の北寄りで、給源と考えられる火山地帯(カムチャッカ半島、アリューシャン列島、アラスカ半島など)からさらに離れていることから、63μmサイズよりも細粒な粒子も新たに分析対象とすることにした。U1344コアから採取された34試料のうち、8試料(そのうち2試料は同一テフラ層)のテフラ層を除いた26層の試料について、45-63μmサイズの粒子の火山ガラスの主元素組成を分析した。これらの試料には火山ガラスの含有量にばらつきがあり、他に円磨された鉱物や砂サイズの火山岩片、微化石等を多く含む。これらの26層の試料のうち、230.01-230.03 m層準(約0.500 Ma)では45-63μmサイズの粒子に火山ガラスを多く含み、それらの主元素組成も化学組成の傾向が類似した火山ガラスであることから、何らかのテフラ層がクリプトテフラとして混入していると推定される。本発表では、まだ詳細な年代軸がまだ確立していないU1344コアのテフラ層序と、年代モデルが構築されているU1343コアのテフラ層序の対比についての検討と、両地点に介在しているテフラ層の岩石学的特徴と火山ガラスの主元素組成の特徴について報告する。