09:30 〜 09:45
[HSC05-03] TOUGH-GeoFEM : 二酸化炭素地下貯留を目的とした大規模並列流体-地盤力学連成シミュレーションコードとその開発への取り組み
キーワード:流体-力学連成解析、大規模並列計算、二酸化炭素地下貯留
地下への大量の二酸化炭素の貯留は 地表面隆起, 断層のすべりと遮蔽層の破壊などの地盤力学的な現象を引き起こす可能性がある。 それらは間隙流体と地層, 双方の力学の連成現象であるから, 二酸化炭素地下貯留における地層変形の予測には流体-地盤力学連成シミュレータが不可欠である。不均一な地質を有する広域の地層モデルを対象としたシミュレーションでは大量の計算が必要となる。しかしながら, そうした大規模問題を解くための大規模並列計算に対応したシミュレータの開発例は少ない。
現在,大規模並列流体-地盤力学連成解析コードTOUGH-GeoFEMを開発中であり,本研究ではその取り組みについて述べる。TOUGH-GeoFEMではone-way methodにより,多孔質媒体および亀裂性媒体中の非等温多相多成分流体の解析コードTOUGH2-MPと固体の変形シミュレータGeoFEMの2つのシミュレータコードを連成している。TOUGH2-MPではDarcy流による間隙中の多相流れを解き,求めた飽和度および圧力から代表圧を節点外力としてGeoFEMに引き渡し,GeoFEM中では釣り合い式を解くことで地層の変位を求める。両者はともにスーパーコンピュータ上での大規模並列計算を目的に開発され,その分野での実績を有する。
本研究では,はじめにTOUGH-GeoFEMの定式化とワークフローの概要に触れた後,数値計算例として地下への二酸化炭素圧入過程における地表面変位のシミュレーションを示す。そこでは流体-地盤力学連成解析コードとしてよく知られるTOUGH-FLACによる計算結果を合わせて参照しており,TOUGH-GeoFEMによる結果はTOUGH-FLACの計算結果とよく一致する。数百万グリッドを用いた計算例を通じて現段階でのTOUGH-GeoFEMの並列性能を示し,合理的なスケーラビリティー(プロセス数の増加に伴う計算速度の増加)が得られていることを述べる。
現在,大規模並列流体-地盤力学連成解析コードTOUGH-GeoFEMを開発中であり,本研究ではその取り組みについて述べる。TOUGH-GeoFEMではone-way methodにより,多孔質媒体および亀裂性媒体中の非等温多相多成分流体の解析コードTOUGH2-MPと固体の変形シミュレータGeoFEMの2つのシミュレータコードを連成している。TOUGH2-MPではDarcy流による間隙中の多相流れを解き,求めた飽和度および圧力から代表圧を節点外力としてGeoFEMに引き渡し,GeoFEM中では釣り合い式を解くことで地層の変位を求める。両者はともにスーパーコンピュータ上での大規模並列計算を目的に開発され,その分野での実績を有する。
本研究では,はじめにTOUGH-GeoFEMの定式化とワークフローの概要に触れた後,数値計算例として地下への二酸化炭素圧入過程における地表面変位のシミュレーションを示す。そこでは流体-地盤力学連成解析コードとしてよく知られるTOUGH-FLACによる計算結果を合わせて参照しており,TOUGH-GeoFEMによる結果はTOUGH-FLACの計算結果とよく一致する。数百万グリッドを用いた計算例を通じて現段階でのTOUGH-GeoFEMの並列性能を示し,合理的なスケーラビリティー(プロセス数の増加に伴う計算速度の増加)が得られていることを述べる。