11:30 〜 11:45
[HTT17-10] HSV色空間モデルを用いた新たな地形表現図法
★招待講演
キーワード:DEM、地形表現図、HSV色空間モデル
昨今、航空レーザ測量や写真測量により得られる数値標高モデル(Digital Elevation Model; DEM)の精度は向上しており、さらにそのDEMに基づく地形表現図や地形解析も同様に進歩している。典型的な地形表現図としてELSAMAP(向山・佐々木, 2007)や赤色立体地図(千葉・鈴木, 2004)が挙げられる。しかしELSAMAPは尾根谷度を導入していないため微地形を判読することができない短所があり、赤色立体地図には標高値の情報が入っていないため、山地における標高の高低が判読できない。そこで本研究では標高値・傾斜角量・尾根谷度の3つを組み合わせ、単純な色の組み合わせで表現し、さらに見やすく改良した地形表現図の作成を試みた。
国土地理院が発行しているレーザ測量に基づいた5mメッシュDEMと「Processing」言語で作成した自作ソフトを今回の研究に用いた。まず自作ソフトで標高値を読み取り、標高値・傾斜角量・尾根谷度を数値計算で算出し、それぞれの値の大きさをHSV色空間で表現される色相(Hue)・彩度(Saturation)・明度(Value)の数値の大きさに当てはまるよう代入し、地形を表現するようにプログラミングを行なった。
HSV色空間を用いて表現された地形図は山地地形で顕著に見やすくなった。標高値ごとに色を変えさらに傾斜角が急になると彩度を増すため、一方の山地ともう一方の山地との標高差が判読できた。また尾根谷度を明度として表現しているため、山地地形での尾根谷や微地形も理解できた。
山地地形で標高値・傾斜具合・尾根谷度が理解しやすくなった一方で、平野・盆地・高地などのように、傾斜が緩やかでほぼ平坦な地形では地形情報を直接理解するには難しい課題が残った。緩やかな傾斜地形は灰色で表現されており、斜面があることによる純色で表現されていても、周辺との微小な標高差が理解できなかった。この短所を補う案としては、等高線図のように別の地形表現図を重ね合せることが考えられる。今回はHSV色空間による地形表現図を1m毎の標高に応じた360m周期の虹色標高色彩図と乗算法で重ね合わせ、対比を行なった。その結果、読み取ったDEM領域内での最大標高値からの標高変化度により表現が大きく異なる。平野地形での標高変化が比較的緩やかな地域では、標高変化や微地形を把握しやすい。一方で、山地地形では平野と比べて標高変化が急であるため、微地形の判読が難しくなった。今後は急傾斜が集合している山地地形と緩やかな傾斜が集合している地形(平野・盆地・高地など)に応じて色空間と調和する色表現を検討していく。
国土地理院が発行しているレーザ測量に基づいた5mメッシュDEMと「Processing」言語で作成した自作ソフトを今回の研究に用いた。まず自作ソフトで標高値を読み取り、標高値・傾斜角量・尾根谷度を数値計算で算出し、それぞれの値の大きさをHSV色空間で表現される色相(Hue)・彩度(Saturation)・明度(Value)の数値の大きさに当てはまるよう代入し、地形を表現するようにプログラミングを行なった。
HSV色空間を用いて表現された地形図は山地地形で顕著に見やすくなった。標高値ごとに色を変えさらに傾斜角が急になると彩度を増すため、一方の山地ともう一方の山地との標高差が判読できた。また尾根谷度を明度として表現しているため、山地地形での尾根谷や微地形も理解できた。
山地地形で標高値・傾斜具合・尾根谷度が理解しやすくなった一方で、平野・盆地・高地などのように、傾斜が緩やかでほぼ平坦な地形では地形情報を直接理解するには難しい課題が残った。緩やかな傾斜地形は灰色で表現されており、斜面があることによる純色で表現されていても、周辺との微小な標高差が理解できなかった。この短所を補う案としては、等高線図のように別の地形表現図を重ね合せることが考えられる。今回はHSV色空間による地形表現図を1m毎の標高に応じた360m周期の虹色標高色彩図と乗算法で重ね合わせ、対比を行なった。その結果、読み取ったDEM領域内での最大標高値からの標高変化度により表現が大きく異なる。平野地形での標高変化が比較的緩やかな地域では、標高変化や微地形を把握しやすい。一方で、山地地形では平野と比べて標高変化が急であるため、微地形の判読が難しくなった。今後は急傾斜が集合している山地地形と緩やかな傾斜が集合している地形(平野・盆地・高地など)に応じて色空間と調和する色表現を検討していく。