日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT17] 地理情報システムと地図・空間表現

2018年5月24日(木) 10:45 〜 12:15 102 (幕張メッセ国際会議場 1F)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学空間情報科学研究センター)、座長:小荒井 衛(茨城大学)、中村 和彦(東京大学空間情報科学研究センター)

11:45 〜 12:00

[HTT17-11] ヒュベニの間略式を用いた幾何補正の応用

*木村 祐介1 (1.筑波大学大学院)

キーワード:GIS、投影変換、ヒュベニ、メッシュ

はじめに

 現在,測量分野ではGPSを用いた計測が主流となっている.今日ではネットワーク型RTK測量などが普及し,位置座標を安易に取得することが出来る.多様な地理情報データに関して,緯度経度を正確に得られる.この発表では,ヒュベニとメッシュの計算式を使用することによって精度の高い計算が可能となりUTMとの互換が容易となるという点に着目し,その応用と有用性を検討する.

2 計算方法

(1)ヒュベニの簡略式を用いて二点間の距離を求める.

(2)緯度経度のメッシュへ変換する
1次メッシュは1辺が80km×80km,2次メッシュは1辺が10km×10kmとして計算される.この特徴を利用し,計算の補正を行い.距離を算出する.

(3)面積に関して
2点間の距離を取得することが可能となる.このためメッシュ(正方形)を台形に置き換え面積を求める.図1を変換したものが図2となる.線分AB=線分CD 線分AD≠線分BCが求められる.北半球で考えた場合,線分の長さは線分AD=線分EFとなり線分AD<線分BCとなる.以上のことから面積を求める際,台形の式を応用することで求めることが可能となる.

図2の手法を用いて図3を計算することによって,図4のように補正することが可能である.このことにより図4は図5のような舟形多円図法と近似させた図となりUTM図法と互換させることが可能となる.
 結果・考察

 UTMとメッシュに関する互換性は非常に良好である.UTMの場合,1つのエリアが広域となる反面,GISを用いてもゾーン区間をまたぐ計算は困難な場面がある.ヒュベニの簡略式で幾何補正した場合,既存の投影法に影響されないため,広域計算が可能となる.「ヒュベニの簡略式」と「UTMの計算式」を比較した場合,前者の汎用性の高さは歴然したものとしている.