12:00 〜 12:15
[HTT17-12] GISによる路地存在エリア抽出法の検討
キーワード:地理空間情報、路地、都市計画、GIS
ヒューマンスケールゆえの生活空間として、また賑わいや設えの空間として、路地(密集市街地に存在する、一般車両の通行が困難な狭隘道路)の存在がまちづくりの中で見直されている。そのため、路地位置や分布状況を把握することは重要と考えられるが、国土地理院の図式規定では縮尺レベル2500でも概ね幅員1.0m以上が道路縁の取得対象になっているため、多くの路地は一般的な地理空間情報には表現されていない可能性が高い。また、軒先等で遮られている場合もあるため、空中写真や衛星画像での判読も困難である。
そこで本研究では、大縮尺に対応するGIS用データ(概ね1/2500相当・有償および無償)から、半自動的に路地の存在が推測されるエリアを抽出する方法を検討した。一定以上の家屋密度を持つ街区において、データ上の道路線に対して接道していない家屋の有無に着目した。このとき未接道の家屋が存在すれば、その近傍に当該家屋へアクセスするための路地が存在すると推測される。
これをフローに示すと以下のようになる。
1. 道路縁を構造化し街区(ポリゴン)を生成
2. 街区内の建物密度が一定以上の街区を抽出
3. 道路縁データからバッファを生成し、未交差の建物を抽出
4. 抽出した建物の面積が一定以上のものを抽出
5. 街区(2.)と交差する建物(4.)を抽出
今回、東京都23区(荒川区、台東区等)と徳島県海部郡海陽町を対象地域とし、データは基盤地図情報(国土地理院)とGEOSPACE電子地図(NTT空間情報製)、ソフトウェアはEsri社製のArcGIS 10.4.1 for Desktopを用いた。
上記推計手法で抽出されたエリアについて推計精度を検証するため現地調査を行った結果、概ね高い確率で路地の存在を推計できていることが分かった。ただし、建物密集度が異なる空間において精度に差異が生じていたため、路地推定の精度向上に向けて街路パターンや建物密度に基づいた地域パラメータ(バッファ距離、建物密度の閾値、建物面積の閾値)の調整が必要かもしれない。
本手法により、地域における路地の位置や分布状況を一覧的に把握できれば、路地の保全や新たな路地風景の創出に向けて、自治体や計画主体等による利活用も可能になると考えられる。
そこで本研究では、大縮尺に対応するGIS用データ(概ね1/2500相当・有償および無償)から、半自動的に路地の存在が推測されるエリアを抽出する方法を検討した。一定以上の家屋密度を持つ街区において、データ上の道路線に対して接道していない家屋の有無に着目した。このとき未接道の家屋が存在すれば、その近傍に当該家屋へアクセスするための路地が存在すると推測される。
これをフローに示すと以下のようになる。
1. 道路縁を構造化し街区(ポリゴン)を生成
2. 街区内の建物密度が一定以上の街区を抽出
3. 道路縁データからバッファを生成し、未交差の建物を抽出
4. 抽出した建物の面積が一定以上のものを抽出
5. 街区(2.)と交差する建物(4.)を抽出
今回、東京都23区(荒川区、台東区等)と徳島県海部郡海陽町を対象地域とし、データは基盤地図情報(国土地理院)とGEOSPACE電子地図(NTT空間情報製)、ソフトウェアはEsri社製のArcGIS 10.4.1 for Desktopを用いた。
上記推計手法で抽出されたエリアについて推計精度を検証するため現地調査を行った結果、概ね高い確率で路地の存在を推計できていることが分かった。ただし、建物密集度が異なる空間において精度に差異が生じていたため、路地推定の精度向上に向けて街路パターンや建物密度に基づいた地域パラメータ(バッファ距離、建物密度の閾値、建物面積の閾値)の調整が必要かもしれない。
本手法により、地域における路地の位置や分布状況を一覧的に把握できれば、路地の保全や新たな路地風景の創出に向けて、自治体や計画主体等による利活用も可能になると考えられる。