09:00 〜 09:15
[HTT19-01] 浅層物理探査用の磁気共鳴スキャナーの開発
キーワード:原位置計測、プロトンNMR、水
土木現場における水の非破壊定量というニーズにこたえるため、水の非破壊定量を得意とするプロトン磁気共鳴現象を計測原理とする構造物の表面スキャナーを開発中である。現場に持って行ける試作品(図1)は、年度内に完成予定である[1]。そのスキャナーは、探査深度(センサーから感度領域までの距離)が約3cmで、通常の100V商用電源のあるところなら動作する。静磁場と高周波磁場の数値シミュレーションを多数回行って試行錯誤した結果、2015年に完成した室内実験用プロトタイプ[2][3]と比べて、感度領域の磁場強度が約半分に低下するものの、探査深度を約3cmに維持したまま磁石重量を約1/3に低減することができた。この軽量化によって、気軽に現場に持ち出せるポータブルでコンパクトな計測システムが実現可能になった。連携していただける企業・研究機関を探しつつ、以下の応用を考えている。
・老朽化した道路やコンクリート建造物などのインフラ内部にたまった地下水・雨水の定量。
・特に寒冷地では、亀裂の進展の原因になりうる、それらインフラ内部の水の凍結状態の検査。
・打設したコンクリートの強度発現を支配するセメント鉱物の水和反応のモニタリング。
引用文献:
[1] 中島善人(2017)磁気共鳴表面スキャナーの開発. グリーンニュース(産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門の広報誌)10月号p.3 下記でフルテキスト公開中。https://unit.aist.go.jp/georesenv/product/gn/green_news58.pdf
[2] 中島善人 (2015) 牛の霜降り状態がNMR でわかる!? ――片側開放型NMR が拓く新たな可能性. 月刊「化学」, 70, 25-28. 下記でフルテキスト公開中。https://staff.aist.go.jp/nakashima.yoshito/bin/kagaku2015.pdf
[3]Nakashima, Y. (2015) Development of a Single-Sided Nuclear Magnetic Resonance Scanner for the In Vivo Quantification of Live Cattle Marbling. Applied Magnetic Resonance, 46, 593-606. 下記でフルテキスト公開中。http://dx.doi.org/10.1007/s00723-015-0657-4
・老朽化した道路やコンクリート建造物などのインフラ内部にたまった地下水・雨水の定量。
・特に寒冷地では、亀裂の進展の原因になりうる、それらインフラ内部の水の凍結状態の検査。
・打設したコンクリートの強度発現を支配するセメント鉱物の水和反応のモニタリング。
引用文献:
[1] 中島善人(2017)磁気共鳴表面スキャナーの開発. グリーンニュース(産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門の広報誌)10月号p.3 下記でフルテキスト公開中。https://unit.aist.go.jp/georesenv/product/gn/green_news58.pdf
[2] 中島善人 (2015) 牛の霜降り状態がNMR でわかる!? ――片側開放型NMR が拓く新たな可能性. 月刊「化学」, 70, 25-28. 下記でフルテキスト公開中。https://staff.aist.go.jp/nakashima.yoshito/bin/kagaku2015.pdf
[3]Nakashima, Y. (2015) Development of a Single-Sided Nuclear Magnetic Resonance Scanner for the In Vivo Quantification of Live Cattle Marbling. Applied Magnetic Resonance, 46, 593-606. 下記でフルテキスト公開中。http://dx.doi.org/10.1007/s00723-015-0657-4