[H-TT19] 浅部物理探査が目指す新しい展開

[HTT19-P11] マルチチャンネル地中レーダによる舗装道路の浅部構造探査

*尾西 恭亮¹、木佐貫 寛¹、小河原 敬徳¹、稲崎 富士¹ (1.国立研究開発法人土木研究所)

キーワード：マルチチャンネル地中レーダ、NMO、舗装道路

近年のマルチチャンネル地中レーダは高密度で舗装道路の地下構造探査を行えるようになった。交通障害を生じさせない高速度の走査速度を実現するために，通常はアンテナ面と道路表面の間にはある程度の空間が存在している。この空間は地中レーダの記録に多重反射を生じさせ，s/nが低下する要因となる。グランドカップル型の地中レーダを用い，土木研究所の円形状の舗装試験道路でマルチチャンネル記録を取得した。探査位置はGNSSで測定している。用いた地中レーダはアンテナと地表面の間は5mm程度に制御されており，多重反射ノイズが抑制されている。さらに，空中への漏洩伝播も抑制されており，空中を伝播する光速度の直接波がほとんど観測されない。このため，地表面から品質の高い反射イベントを記録できる。異なる送受信間オフセット距離の記録を用いて推定したRMS速度を用いて，NMO補正を行い，高品質の深度断面を出力することができた。この深度断面は，深度約10cmに存在するアスファルト混合層と上部路盤層の境界を検出できている。ここでは，高速度で浅部道路構造をイメージング可能な探査および解析手法を紹介する。最新技術を用いた舗装道路の管理方法の提言も行う。