日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI26] 情報地球惑星科学と大量データ処理

2018年5月21日(月) 09:00 〜 10:30 201A (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、堀之内 武(北海道大学地球環境科学研究院)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門、共同)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門 情報地質研究グループ)、座長:本田 理恵Horinouchi Takeshi

09:00 〜 09:15

[MGI26-01] プライベートLoRaによる都市域見守りの検討

*山本 和憲1室野 栄1村田 健史1水原 隆道2 (1.情報通信研究機構、2.株式会社クレアリンクテクノロジー)

毎年死者が出る大規模気象災害(土砂災害、台風被害、河川水害等)から住民を守ることは、地域防災の視点からICTに最も期待されている点である。現実にはそれを阻む様々な壁があり、これを乗り越えない限りは「地域見守りIoT」を実現するのは困難である。(1)各センサーの高コストの壁(数100万円する現在の水位計を自治体(特に地方自治体)が多数設置することは事実上困難である)、(2)IoT技術とビッグデータ技術の融合の壁(テストベッド研究は多くあるが、実データによる実課題解決技術は少ない)、(3)産官学の連携の難しさの壁(情報通信技術などのシーズが地方自治体の防災などのニーズにマッチングしない)、(4)気象業務法の壁(気象IoTセンサーは気象業務法第9条の壁があるためにほとんど実現できていない)、(5)ベンチャー企業ビジネス化の壁(開発ができても販路やビジネスプラン構築、全体ソリューションシステム展開が難しい)、(6)国際展開の壁(東南アジアは世界最大の気象災害地域であるが安価な防災IoTシステムがない)。本研究では、長野県千曲市全域に安価な2種類のIoTセンサー(水位センサーと気象センサー)を100個スケールで設置し、広域(市内全域を)多地点高密度に“見守る”ネットワークシステムを構築するという目標でシステム検討を行う。取得データとこれまでに構築したひまわり衛星画像、降雨レーダ、気象警報と併せてGIS可視化・リアルタイム公開するシステムを提案する。将来的には、本研究で確立した技術・スキームをリーズナブルな価格で商品化・パッケージ化し、他の地方自治体や気象災害が深刻なASEAN諸国に対して展開する。本研究の将来イメージは、地方自治体という一つのエリアを対象として、気象・防災という視点でのGIS可視化(サイバー空間)上に雲・降雨・警報・水位・気象パラメータ(リアル空間)の実現である。