日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI29] オープンデータ&サイエンスの近年の状況

2018年5月23日(水) 09:00 〜 10:30 103 (幕張メッセ国際会議場 1F)

コンビーナ:樋口 篤志(千葉大学環境リモートセンシング研究センター)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)、座長:樋口 篤志

09:55 〜 10:10

[MGI29-04] 米国地球物理学連合におけるオープンサイエンス・データの取り組みについて

*末広 潔1Hanson Brooks2 (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構、2.米国地球物理学連合)

キーワード:オープン サイエンス、オープン データ

米国地球物理学連合(AGU)は、「オープンサイエンス」と「オープンデータ」に関わる構想の実現を複数すすめており、いくつかはJpGUを含めて他の学会と協力している。これらの方針は広く科学界により貢献し、従って世界中の一般の人々にも敷衍されると考えられている。現在のAGU会員数はおよそ6万人である。このうちおよそ15%はアジア太平洋地域の会員であり、日本の会員数は米国に次いでいる。JpGUとその加盟学協会はAGUと長い相互協力関係の実績があり、たとえば、過去の西太平洋地球物理学大会(WPGM)や最近の2017年JpGU-AGU合同大会があげられる。さらに2020年にも合同大会が予定され、AGUの100周年記念年(2019)にも協力関係にある。このように、2連合は会員の重なりもあり、アウトリーチの拡張も含めて、広く地球科学界によりよく貢献しようと協力している。

2016年にはAGUは2011年に最初に発した科学的成果の自由で開かれたコミュニケーションについての声明を再確認した。出版については、AGUはオープンアクセスジャーナルの発刊を拡大しておりハイブリッドオープンアクセスも増加させている。AGUの最新のジャーナルであるジオヘルス(GeoHealth)はオープンアクセス誌であり、AGUの躍進著しい以下のジャーナルはオープンアクセスである:JAMES, Earth’s Future、およびEarth and Space Science。AGUはさらに新しいオープンアクセスジャーナルの今年発刊を企画している。2015年以来、世界中からリモートセッション参加も実現させている。

過去数年の重要な焦点は、地球および宇宙科学においてオープンデータを実現させることである。これは、1997年に初めて声明文にあるように、地球および宇宙科学データは世界遺産であり、引用され、保存され、オープンであり、アクセス可能であることが研究者、データ管理者、資金提供者の総体としての責任であるとした。AGUは科学界と共同してこれらの核心的な価値観の認識に努めてきている。たとえば、COPDESS(地球および宇宙科学のデータ出版連合)やFAIR(見つけられ、アクセスでき、相互運用でき、再利用可能)なデータの標準と実行基準があげられる。

これらの実践状況について現況と見通しについて報告する。