日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[EJ] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS08] 地球掘削科学

2018年5月22日(火) 10:45 〜 12:15 コンベンションホールB(CH-B) (幕張メッセ国際会議場 2F)

コンビーナ:山田 泰広(海洋研究開発機構 海洋掘削科学研究開発センター)、黒田 潤一郎(東京大学大気海洋研究所 海洋底科学部門)、氏家 恒太郎(筑波大学生命環境系、共同)、菅沼 悠介(国立極地研究所)、座長:阿部 なつ江(海洋研究開発機構 海洋掘削科学研究開発センター)、道林 克禎

11:00 〜 11:15

[MIS08-08] IODP Exp. 374速報:新生代後期におけるロス海西南極氷床変動史IODP Exp. 374速報:新生代後期におけるロス海西南極氷床変動史

*杉崎 彩子1関 宰2石野 沙季3Mckay Rob4De Santis Laura5Kulhanek Denise6IODP Exp.374 乗船研究者一同 (1.産業技術総合研究所、2.北海道大学、3.名古屋大学、4.Victoria University、5.Instituto Nazionale di Oceanografia e edi Geofisica Sperimentale、6.Texas A&M University)

キーワード:古環境学、国際深海科学掘削計画(IODP)、ロス海

国際深海科学掘削計画(IODP)Exp. 374では、2018年1月から3月にかけてロス海東部の大陸棚と大陸棚斜面などから 約6地点で海底堆積物コアの掘削を行った。この掘削では過去2,000万年間の気候変動に着目しており、西南極氷床(WAIS)の変動が気候や海洋の変動とどのように関連していたのかを明らかにすることを目的としている。多くの氷床モデルにおいて海洋の熱フラックスと海水準の変動に対してロス海の棚氷が最も敏感であることが示されていることからこの海域が選定された。このプロジェクトでは、古気候データとモデルの統合を行うことで、現在よりも温暖な気候状態(例えば、鮮新世温暖期および中期中新世気候最適期)における南極氷床の安定性の理解を目指している。より具体的には1)西南極氷床の海水準変動への寄与の評価、 2)気候変動における極域増幅のメカニズム解明、3)海洋強制力(海水準や海面水温など)に対する南極氷床の安定性の評価、 4)様々な境界条件下においてのミランコビッチ強制力に対する南極氷床の応答、および 5)氷床の安定性と海洋の地形や全球的な気候との関連の解明などを目的としている。本発表では、本航海の掘削概要と船上で得られたデータをもとに航海の報告を行う予定である。