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[MIS08-08] IODP Exp. 374速報:新生代後期におけるロス海西南極氷床変動史IODP Exp. 374速報:新生代後期におけるロス海西南極氷床変動史
キーワード:古環境学、国際深海科学掘削計画(IODP)、ロス海
国際深海科学掘削計画(IODP)Exp. 374では、2018年1月から3月にかけてロス海東部の大陸棚と大陸棚斜面などから 約6地点で海底堆積物コアの掘削を行った。この掘削では過去2,000万年間の気候変動に着目しており、西南極氷床(WAIS)の変動が気候や海洋の変動とどのように関連していたのかを明らかにすることを目的としている。多くの氷床モデルにおいて海洋の熱フラックスと海水準の変動に対してロス海の棚氷が最も敏感であることが示されていることからこの海域が選定された。このプロジェクトでは、古気候データとモデルの統合を行うことで、現在よりも温暖な気候状態(例えば、鮮新世温暖期および中期中新世気候最適期)における南極氷床の安定性の理解を目指している。より具体的には1)西南極氷床の海水準変動への寄与の評価、 2)気候変動における極域増幅のメカニズム解明、3)海洋強制力(海水準や海面水温など)に対する南極氷床の安定性の評価、 4)様々な境界条件下においてのミランコビッチ強制力に対する南極氷床の応答、および 5)氷床の安定性と海洋の地形や全球的な気候との関連の解明などを目的としている。本発表では、本航海の掘削概要と船上で得られたデータをもとに航海の報告を行う予定である。