[MIS08-P07] マリアナ海溝セレスティアル海山超マフィック岩の構造岩石学的研究
キーワード:マリアナ海溝、蛇紋岩海山、かんらん岩
セレスティアル蛇紋岩海山はマリアナ海溝にある海山の一つであり,海面下約2000~4000mの深さで,南北方向に広がるマリアナ海溝の中部に位置している.2016年12月8日から2017年2月7日まで行われたIODPExpedition366航海において,セレスティアル蛇紋岩海山で蛇紋岩化したかんらん岩のコアが得られた.私たちはセレスティアル海山で得られた14個の蛇紋岩化したかんらん岩について,鉱物の化学組成とかんらん石の結晶方位を分析をした.結果として,13試料は1~5mmのかんらん石粒子を伴う粗粒状組織を持ち,1試料は0.1~1mmのかんらん石粒子を伴う細粒状組織を示した.かんらん石とスピネルの両方の化学組成はOlivine-Spinel Mantle Array (OSMA) (Arai,1994)の範囲に入り,そこではスピネルのCr#は0.6より低く,水の影響がほとんどないことを示した.かんらん石結晶方位に関しては,蛇紋岩化したかんらん岩は3つのファブリックタイプを示した.3つのタイプはそれぞれ [100] (010)タイプ(Aタイプ),[010]ファイバータイプ(AGタイプ)と[100]{0kl}タイプ(Dタイプ)である.3つのタイプの中でも,Dタイプは高差応力かつ水の影響のない環境で発達する.Dタイプかんらん岩は粗粒状組織を持つため,セレスティアル海山下のマントルは水の影響のない環境で強い変形を受けているだろうと考えられる.それらの特徴は南チャモロ海山で得られたかんらん岩にみられた特徴と調和的である.