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[MIS09-01] 2011東北沖地震の先行過程における深層流体の役割
キーワード:2011東北沖地震、深層流体、地震電磁気現象
2011東北沖地震の震源核周辺でスロースリップ、微小地震、地殻の動き、地下水など、M9.0地震発生に向けて、さまざまな先行‘現象’が顕在化していった。b値の減少、地球潮汐の影響、震源に向かう微小地震の発生などは(気象研,予知連会報,90,12-6、2013)、震源の北側でプレート境界の脆弱化による。この領域では、地震波探査により、強い反射面が検知され流体の存在が示唆されている(藤江ほか,地学雑誌,2000)。さらにM9地震が起きたあと海溝付近の濁った海水から深層由来の13Cや3Heが検出されたこと(Kawagucci et al. Sci.Rept. 2012: Sano et al. Nature Comm. 2013)は、深層流体の亀裂を介した上昇が、上述した先行現象を説明しうる‘実体’であることを示唆している。
直前の先行現象として注目されるのは地震発生の約40分前から起き始めた震源上の電子数増加(Heki, GRL,2011)と同期した地磁気偏角の東向き変動(Heki & Enomoto, JGR,2013)であろう。その発生メカニズムにも、上述の‘実体’を取り込んだ説明が、より合理的である。
先に、岩石破壊と侵入する炭酸ガスとの電磁相互作用モデルが、1965-1967松代群発地震の地磁気変動を説明できることを示した(Enomoto et al. Sci. Rep.,2017)。次いでプレート境界地震への適用を検討した。すなわち上述した地震活動や地殻変動の先行過程との調和を図りつつ、震源核の準静的破壊過程で深層ガスが電磁気相互作用するモデルを構築、観測された地磁気変動を定量的に説明できることを示した。
直前の先行現象として注目されるのは地震発生の約40分前から起き始めた震源上の電子数増加(Heki, GRL,2011)と同期した地磁気偏角の東向き変動(Heki & Enomoto, JGR,2013)であろう。その発生メカニズムにも、上述の‘実体’を取り込んだ説明が、より合理的である。
先に、岩石破壊と侵入する炭酸ガスとの電磁相互作用モデルが、1965-1967松代群発地震の地磁気変動を説明できることを示した(Enomoto et al. Sci. Rep.,2017)。次いでプレート境界地震への適用を検討した。すなわち上述した地震活動や地殻変動の先行過程との調和を図りつつ、震源核の準静的破壊過程で深層ガスが電磁気相互作用するモデルを構築、観測された地磁気変動を定量的に説明できることを示した。