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[MIS10-07] 温室効果ガスの放射強制力に応答した西太平洋暖水塊の表層水温変動
キーワード:海洋表層水温、西太平洋暖水塊、気候感度、放射強制力
温室効果ガスの濃度変化に対する全球温度の応答を見積もることは,地球気候システムを理解する上で非常に重要なテーマである.大陸氷床から遠く離れた西太平洋暖水塊(WPWP)の表層水温(SST)は,地球気候の平均状態を知るのに適した地域である.先行研究で主張されているように,WPWPのSST変化が温室効果ガスの放射強制力に応答しているのであれば,約45万年前にCO2の振幅が80から100ppmへ大きくなったのに対応してSSTの振幅も大きくなることが期待される.これまでに報告された過去80万年間にわたるWPWPのSST記録は一致しない.本研究では,オントンジャワ海台で採取されたピストンコアを用いて過去100万年にわたる新たなSST記録を復元した.本講演では,複数のSST変動記録が食い違う原因と温室効果ガスの放射強制力に対する感度について議論する.