[MIS10-P23] 220年のサンゴ記録を用いた西太平洋熱帯域の海水温復元
キーワード:サンゴ、古気候、海面水温
サンゴ骨格の酸素同位体比やSr/Ca比は海洋表層の温度や塩分に関する定量的な情報を得られることが知られているため、熱帯域においてハマサンゴは古気候・古環境・古海洋の優れた指標として知られている。この原理に基づきサンゴ骨格気候学は熱帯域から亜熱帯域にわたる気候の経年変動を復元するのに適している。しかし、サンゴ骨格を用いて200年以上にわたる連続的な環境復元を行った研究はまだそれほど多くない。
そこで本研究では温度指標として知られているハマサンゴの骨格のSr/Ca比記録に基づいて季節ごとの時間分解能で1778年から2002年までの海水温を復元した。試料として使用したサンゴは2002年にフィリピン東岸で採取された。サンゴのSr/Ca比は誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES/AES)で測定し、その測定精度は0.6%未満で、温度に換算すると0.6℃未満であった。復元した海水温は約25℃から32℃の間で変動しており、220年の間で複数回の寒冷化イベントが認められた。今回の発表ではサンゴから復元した海水温記録と全球平均気温や火山噴火の記録などと比較検討を行う。
そこで本研究では温度指標として知られているハマサンゴの骨格のSr/Ca比記録に基づいて季節ごとの時間分解能で1778年から2002年までの海水温を復元した。試料として使用したサンゴは2002年にフィリピン東岸で採取された。サンゴのSr/Ca比は誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES/AES)で測定し、その測定精度は0.6%未満で、温度に換算すると0.6℃未満であった。復元した海水温は約25℃から32℃の間で変動しており、220年の間で複数回の寒冷化イベントが認められた。今回の発表ではサンゴから復元した海水温記録と全球平均気温や火山噴火の記録などと比較検討を行う。