日本地球惑星科学連合2018年大会

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS11] 津波堆積物

2018年5月22日(火) 15:30 〜 17:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7ホール)

コンビーナ:篠崎 鉄哉(筑波大学アイソトープ環境動態研究センター)、千葉 崇(一般財団法人海上災害防止センター)、石村 大輔(首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理学教室)

[MIS11-P22] タイ王国ナムケム平野におけるスマトラ島沖地震津波堆積物の約10年後における変化

*海津 正倫1阿部 朋弥2Janjirawuttikul Naruekamon3 (1.奈良大学文学部地理学科、2.産業技術総合研究所、3.タイ王国土地開発局)

キーワード:津波堆積物、海岸平野、タイ王国、10年間の変化

2004年12月に発生したスマトラ島沖地震に伴って,震源に近いスマトラ島北西部のみならずインド洋沿岸地域をはじめとして津波が海岸低地を覆い,顕著な津波堆積物が堆積した.このような津波堆積物が堆積後どのように変化するのかについては従来あまり検討されておらず,過去の津波堆積物の検討にあたっては,地震直後に堆積した津波堆積物がその後にどのような変化をしたのかを把握することが望まれる.本研究では,津波堆積物や堆積場の地形が時間を経てどのように変化するかを検討するために,7mもの津波が襲来し,顕著な津波堆積物が堆積したタイ南部のナムケム平野においてインド洋大津波の発生からほぼ10年が経過した2015年および2017年に現地調査を行い,2005年3月に海津が行った現地調査の結果との比較に基づいて10年間の津波堆積物や堆積場の地形などの変化を検討した.

その結果,対象地域における低地部の土地利用や地形は内陸側の地点においてリゾート施設は油ヤシ園が新たに造成された以外はほとんどの場所が荒れ地として残されており,地形的にもスズ採掘でできた盛土の部分で一部において人為的な改変が見られたのみであった.これに対して,植生は大きく変化しており,2005年時点では点在する樹木のほかは低い草本が生えるのみであったが,2015年には多くの場所が背丈の高い草本に覆われてしまっていた.そのため,多くの地点で目印の樹木などを確認することが困難であったほか,GPSによる位置確認でも正確なポイントを押さえることが困難であった.そのような中で,ほぼ同一地点における調査結果では,植生による表土の安定化もあったようで,10年間の津波堆積物の厚さにはあまり顕著な変化が無かった.ただ,地表の流水が集中する凹地の部分では堆積物の二次的な移動により層厚が増加する傾向が見られた.一方,2005年当時は津波堆積物の堆積構造・層相変化が明瞭に認められたが,2015および2017年時点では堆積層の層相が不鮮明な状態に変化していた.また,津波襲来以前の表土は津波堆積物に覆われて埋没土壌となったが,2005年時点では表土が濃い暗褐色であったものが2015年には褐色あるいは薄い暗褐色となり,津波堆積物との境界が不鮮明となっている地点が多くみられた.